まさ書房:本のあれこれ


 次期学習指導要領の改訂にむけて、児童・生徒に必要な「21世紀に求められる資質・能力」について、さまざまな議論がなされてきました。

 私が活動したり、研究したりしているシティズンシップ教育でも、とりわけ「スキル」がその特色としてあげられてきています。


 こんななか、とても参考になる一冊として、『資質・能力[理論編] (国研ライブラリー)』(国立教育政策研究所 編、東洋館出版社 刊)があります。

 いま注目のアクティブラーニングも、育むべき「資質・能力」という点から、たびたび触れられています。

 研究者はもちろん、学校の先生、お父様・お母様、教員志望の学生さん、などなど、さまざまな方にお読みいただける一冊かなと思います。

 


駿台の特進コースで使われていた「CHOICE」というテキストがあります。

私も、駿台の特進コースに運よく入れたことがあり、「CHOICE」の授業を受けていました。

伊藤和夫先生や高橋善昭先生のように、難しい構文をいかに把握し読むか、という授業ではなく、それは当たり前のものとして、英文を人間の書いた文章としていかに読み解き、ふさわしい訳文をつけられるかを考えていく授業でした。

なので、取り上げられている英文は、モームやヘミングウェイなどの小説や随筆が中心です。

一見、受験に役に立たなそうな授業ですが、深く深く英文を読み、考えることができるのです。


そんな「CHOICE」の授業が、本になっていることを知りました。


●「かつて「チョイス」という名の英語教材があった」(斎藤雅久著、游学社)

アマゾン内容紹介「予備校華やかなりし1980年代、哲学や文学を題材に、豊富な内容かつ格調高い文章で構成された英語のテキストがあった。現在はコミュニケーション英語が最重要視されているが、「チョイス」に収録された英文を精読し、著者の意図を正確に把握することは、真の英語力の習得に繋がるだろう。英文読解の最高峰『教養のための英文読解』著者が贈る、深遠なる教養の世界への道標。」


●「続・かつて「チョイス」という名の英語教材があった」(斎藤雅久著、游学社)


いま、読み始めています。

とても面白いです。

英文を深く読むことから離れていたので、もう一度原点にかえり、しっかり読み、考えてみたいと思っています。


 いまドラッカーの本の奥付をみたのですが、すごいですね。10年で27刷している・・・。もう一冊も5年で10刷・・・。

 古本屋に行ってもあまりみかけないし、あまり安くならない。そのくらい需要があるし売れ続ける。
 
 冷徹に、時代にあった飛びやすい本をつくるのもいいけれど、こういった重厚でじっくりとよめる、売れ続ける本をつくるのも、やっぱりいいですね。

 小出版社をつくる、というのは、このあたりが生命線になりそうだ。

 第二のパットナム、コトラー、ドラッカー・・・をめざして。


高杉良の『不撓不屈』(新潮文庫) を読みました。
 
 
 
 みなさんもご存知のとおり、TKC全国会の飯塚毅氏を小説化したもの。飯塚氏は、「別段賞与」の取扱いをめぐって国税庁と検察を相手に、長い戦いを強いられた。
 
 
 
 このあらすじを読んだときに、これは自分の父親の話かなと正直思った。
 
 
 
 自分の父(私は妾の子で母子家庭育ちですが。)も大正生まれの税理士で、同じように国税庁と対立し、長い訴訟に苦しんでいました。父親のエピソードをまじえて、国家権力だろうと、真実の前には、絶対に屈してはいけないと、小さい頃から母に言い聞かされてきました。
 
 
 
 当時の税理士は、多かれ少なかれ、国税庁と紛争があったようです。まだ資格試験もない頃ですし・・・。(税理士会の会員番号が一桁だとか、そんな感じらしいです。)
 
 私のことはさておき・・・。
 
 肝心の本についてですが、ノンフィクション小説ということもあり、議会の議事録や、裁判の記録などをそのまま書き写しているところがあり、ふつうの小説とはちがった読み方が必要かなと思いました。心の動きやなんかは、あまり描写されておらず、事実関係の記述を重視しているような感じ・・・。映画の方が楽しむには向いてるかもしれません。
 
 
 
 「別段賞与」の争訟がきっかけで、現在の「賞与引当金」ができたとか、そんな話を読むのも、この小説の楽しみ方かな・・。
 
 
 
 
 いずれにしても、真実を前にして、権力に屈する必要はない。
 
 
 
 痴漢だとか、万引きだとか、そんなもので刑務所に入れられるのではなくて、真実を貫いたがために刑務所に入れられる、そのくらいの人生でありたいものです。
 


 税理士の原尚美さん の著書『ダンゼン得する 個人事業者のための会社のつくり方がよくわかる本』(ソーテック社) をよみました。


 タイトルのとおり、個人事業主としてすでに事業をはじめられていて、そろそろ法人化したほうがいいのかな・・・と考えている方にはぴったりの本です。


 このジャンルの本には類書も多いですが、本書は相当なボリュームで、関連する項目全体を網羅的にカバーしています。部分的にかいつまむように解説している本と比較しても、その情報量はかなりのものです。


 そして、ほぼその全ての項目で、個人事業がよいか、法人(株式会社)がよいかについて比較がなされています。(税理士の先生が書かれた本ですので、節税の視点によるアドバイスがもっとも多いです。) 年収1000万のデザイナーさんの場合、2000万以上の料理店の場合、など商売の規模や種類によっても、そのメリット・デメリットを説明しています。税理士として実際にそのような相談にのっていた経験があるからこその、豊富な事例なのでしょうね。


 いっぽう、わたしのような、「とにかく会社を作りたい」という起業家精神あふれるタイプや、独立志向のサラリーマンの方などにも、随所に役立つところがあります。会社の組織について、資金調達のしくみについて、決算について、税金について、などなど・・・。


 内容だけでなく、本書のさまざまなところに見せるきめの細かさは、女性ならでは、とも、著者の人柄ともいえそうです。そういう意味でも、気持ちよくよめる本だと思います。


 起業を検討されている方、法人化を検討している個人事業主の方、起業しちゃった方、などにはとくにおすすめです。ぜひ、よんでみてくださいね。




 『最強国家ニッポンの設計図』(大前 研一、小学館)をよみました。


 大前氏は、保守系の出版社からの出版が多いですし、保守系の雑誌への投稿も多いので、そっち系の方と思っている方もいるかもしれません。

 でも、じっくりよんでみると、そうでもない。

 要は、ファイナンスを中心に事象をとらえている。なおかつ、自身の留学経験からみた国家観・世界観をえがいている。

 ファイナンスを少しでも勉強すれば、いまの日本が、どうしたって一度は小さな政府に向かわなければいけないのがわかります。その小さな政府が、「弱者斬り捨て」になるかどうかは、その後の政策と理念によるものであって、「小さな政府」論だからといって反社会民主主義で、新自由主義なものの見方である、とは絶対にいえない。ここのところを感情論で、まったく噛み合わない議論がなされがち。

 ギデンズの「第三の道」も、縮小せざるをえない福祉国家を前提に議論がなされている。政府部門の縮小が、かならずしも福祉の切り崩しであるとはいいきれない。

 大前さんのように、一度でも留学を経験したひとは、国家というものを強く意識していますよね。短期の留学しかないわたしですらそうです・・・。それだけをみると、藤原正彦のような保守を思い浮かべますが、大前さんはアジア連邦やリージョナリズム(地域主義・分権主義)の考え方も備えています。そういった点でも一概に保守派ともいえないのではないかと。ひとによっては、支離滅裂の「政治学」オンチとみるかもしれませんね。

 論文ではなく、一般書なので、論究については不足はあるものの、切り口はいつもながらに面白いと思います。


 きのう、ネクストの井上高志さん、サイバーエージェントの藤田晋さんの本をよみました。

『「普通の人」が上場企業をつくる40のヒント―人生のスイッチをONにしよう』 (井上 高志、ダイヤモンド社)

『ジャパニーズ・ドリーム―史上最年少の上場企業社長』(藤田 晋、アメーバブックス)

『渋谷ではたらく社長の告白』(藤田 晋、アメーバブックス)

 この3さつ。

 わりと起業したときの状況はわたしと似ているところもあります。起業せざるを得ない状況に追い込まれたり・・・。

 ネクストは不動産情報検索サイトで上場までこぎつけた会社、サイバーエージェントはネットビジネスの営業代行業務ではじまり、クリック広告の代理店に転換・・・。

 とくにサイバーエージェントは設立2年で上場。

 

 それにしても、お二人とも営業出身かぁ。

 「独立するなら、取引先をすでに○○件はもってなければ、続かないよ」

 なんてよくきくけれど・・・。

 でも、辞めた会社のお客さんを引きずり込むようなことは、二人ともしなかった。

 力があれば、お客さんを引っ張るもなにも、新規開拓の自信があるのでしょうね。

 
 ほかには、藤田さんの本には、ホリエモンとのエピソードもあり、ほほえましかったです。


 3冊ともとても面白かったので、興味がわきましたら、ぜひ、読んでみてください。

『仕事はストーリーで動かそう』(川上徹也、クロスメディアパブリッシング)をよみました。

 ひらたくいうと、仕事をロジックや数字で進めるだけでなく、ストーリーや感動の力で進めましょう、ということです。タイトルのとおり、ではありますが・・・。


 完璧なプレゼン、完璧な企画書を作った!と思ってもなぜか、お客の心、役員の心を動かせない・・・。ロジックも数字もしっかりと組んでいる・・・。それなのに・・・。

 ・・・なんて、わたしでなくても、多くの方が経験しているはず。


 そこに足りないのは、「感動の力」「ストーリーの力」なのだと、筆者はいいます。


 また、ストーリーテリングの手法は、相手や顧客を主人公にしなければならない。感動するのは、あくまで受け手。自分だけが感動して涙する状態だと、相手の心は動かない。 

 クールに相手の心に火を灯したい。


 ボルヴィックのミネラルウォーターは、「1リットルの水が売れるたびに、アフリカで10リットルの安全な水が生まれる」という「1L for 10 L」というタイトルのストーリーをつけたことで、爆発的に売れたといいます。(これを「ソーシャル・マーケティング」というそうです。コトラーもいってますね。)

 わたしとしては、これが、売れるためにしたかどうか、よりも、このようなゆめと一緒にものを売り買いできることがうれしく感じました。もはや、ものが行き渡り、ものあまりの時代です。どうせものを買うなら、ゆめと一緒に買いたい。だれかの幸せと一緒に買いたい。

 「まいど、ありがとうございます」「おおきに」

 これが、誰にとっての「ありがとう」で、「おおきに」なのか。それが問題。


 ストーリーでする仕事には、そんな力を秘めている。ゆめを秘めている。


 こんな本もたまにはいかがでしょう。

 『夢を育てる』(松下幸之助、日経ビジネス人文庫)をよみました。

 本書は、日経新聞のコラム「私の履歴書」を書籍化したもので、幸之助さんの自伝です。

 自転車屋の丁稚奉公から始まって、電器店を創業する話、松下電器に週休2日制を導入する話、フィリップス社との提携の話など、たくさんのエピソードが詰まっています。

 経営というものが、社会主義的なものの見方からすれば、疎ましく論じられることが多いのですが、幸之助さんの手にかかると、とてもさわやかなものになります。対立する概念もうまくまとめてしまう。人柄というのか、頭のやわらかさというのか。

 誰もが、このひととなら、うまくやれるかもしれない、と思えてしまう。そんなしなやかさ。

 たくさんの著書がありますが、本書もとてもよい本です。

 

 『国をつくるという仕事』( 西水 美恵子、英治出版) をよみました。

 この本、日経の読書欄で紹介されてはじめて知りました。前・世界銀行の副総裁が日本人女性だったのですね。

 西水さんは、高校までは日本の学校を出て、その後はずっと海外なのだそうです。
 
 日本のレジャーランド大学をみたら、お金払ってまで行く意義を感じませんものね・・・。世界に通用するわけでもないし。「日本で通用しないやつが、世界で通用するのか」なんて言葉もあるけれど、こと大学教育についてはどうでしょうね・・・。

 本書をとおして、彼女の凛とした姿をよみとることができます。どんな思いで世界の発展途上国とかかわってきたのか。どのようなビジョンをもっているのか。

 ただ、雑誌のコラムを集めたということもあり、各項目が短く詰め込まれた感がただよい、そこがもったいなかった。本書では、ことあるごとに「リーダーシップの問題」に帰結するけれども、そのリーダーシップそのもののありかたが、いまや多様に変化し、数多の人々は同じ水平線上にいることが明らかななかで、「リーダーシップ」という言葉そのものにむなしさがひびきます・・・。「われこそは」のリーダーシップなど、求められていない。名誉に群がるリーダーシップなど、求められていない。

 リーダーシップなのか、エクセレントなのか。今後、西水さん自身が示していくのでしょう。

 いずれにしても、未来あるこどもに、そして、これからの女性に、だいすきなひとに、贈りたい、読んでもらいたい一冊であることはまちがいありません。みなさんも、ぜひ読んでみてくださいね。


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【前・世界銀行副総裁が語る リーダーシップの真実】
貧困のない世界を夢見て・・・23年間の闘いから見えてきたもの

◆はじめて訪れたエジプトの貧民街。少女ナディアが自分の腕のなかで息をひきとったとき、自分の人生が決定的に変わった――。貧困や悪政と闘いつづけた23年間。それは、この世界を変えたいと願う、あらゆる職場のリーダーたちと共に歩んだ道のりだった。農民や村長、貧民街の女性たちや売春婦、学生、社会起業家、銀行家、ジャーナリスト、政治家、中央銀行総裁、将軍や国王に至るまで・・・「国づくり」の現場で出会ったリーダーたちの姿を、前世界銀行副総裁が情感込めて語った珠玉の回想記。

◆著者・西水美恵子氏は、女性としても日本人としても初めて世界銀行地域担当副総裁となった人物。貧困との闘いにおける各国各地域のリーダーシップを支援。自ら貧村にホームステイを行うなど、つねに「現場」に根ざした「国づくり」を推進してきた。また、世銀の内部でも組織改革に取り組み、その手法はピーター・センゲ教授はじめ経営学界で高く評価されている。

◆雑誌『選択』好評連載「思い出の国、忘れえぬ人々」(2005年1月~2008年12月)待望の単行本化。

◆解説・田坂広志氏(社会起業家フォーラム代表、多摩大学教授)・・・「読み進めながら、何度も、胸が熱くなり、読み終えたとき、深い感動と、静かな余韻が訪れる著作。そうした著作に巡り会う経験が稀有になってしまった時代。この著作に巡り会えたことに、感謝をしたい」(「解説」より)
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 『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』(ジェームズ・C. コリンズ 著、山岡 洋一 訳、 日経BP社 刊) をよみました。

 あまり時間がなかったので、とばしながらでしたが、とてもおもしろかったです。

 途中によくでてきていたのが、「第五水準の経営者」ということば。

 「個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる」

 ちなみに「第四水準の経営者」とは、「明確で説得力のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える」

 第三水準にくるのは、「有能な管理者」
「人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追究する」

 以下、第二水準「組織に寄与する個人」、第一水準「有能な個人」・・と続きます。

 また、いちばん好きなのは、「針鼠(はりねずみ)」の寓話をもちいたくだり。

「アイザイア・バーリンは、有名な随筆『針鼠と狐』で、世間には針鼠型の人と、狐型の人がいると指摘した。これは古代ギリシャの寓話、「狐はたくさんのことを知っているが、針鼠はたったひとつ、肝心要(かんじんかなめ)の点を知っている」に基づいたものだ。

 ・・・狐型の人たちはいくつもの目標を同時に追究し、複雑な世界を複雑なものとして理解する。「力を分散させ、いくつもの動きを起こしており」、全体的な概念や統一のとれたビジョンに考えをまとめていこうとはしない。
 これに対して針鼠型の人たちは、複雑な世界をひとつの系統だった考え、基本原理、基本概念によって単純化し、これですべてをまとめ、すべての行動を決定している。世界がどれほど複雑であっても、針鼠型の人たちはあらゆる課題や難題を単純な、そう、単純すぎるほど単純な針鼠の概念によってとらえる。針鼠型の人たちにとって、針鼠の概念に関係しない点は注目に値しない。」

 もうすこしよみ進めると、この寓話を過去の偉人にまであてはめています。

「・・・フロイトは無意識の世界に、ダーウィンは自然選択に、マルクスは階級闘争に、アインシュタインは相対性原理に、アダム・スミスは分業に、それぞれ関心を集中させている。いずれも針鼠なのだ。複雑な世界について考え抜き、単純化してとらえている。「偉大な足跡を残した人たちはかならず、『すばらしい見方だが、単純化しすぎだ』という批判を受けている」

・・・この真偽はさておき、「単純化しすぎた」といわれても、複雑な事象をひとつやふたつの「原理原則」に昇華させていく姿勢は見習うべきところがあると思います。

 それは、経営についても同じ。儲かる会社なのか、「偉大なる」会社なのかは、原理原則(プリンシプル)にあると思います。

 偉大なるひとも、かならずプリンシプルがある。


 『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』 (ジェームズ・C. コリンズ, ジェリー・I. ポラス 著, 山岡 洋一  訳、 日経BP社 刊)をいま読んでいます。

 とても有名な本なので、みなさんもご存知だと思いますが、私も読もう読もうと思いつつ、なかなか読む機会がなくて・・・。

 それで、会社を作ってしまったこともあり、そして、先日読んだ大前研一さんの本でも、「ビジネスマンで『ビジョナリー・カンパニー』も読んだことないやつは終わってる」と厳しく言われていたこともあり、この機会に読むことにしました。

 仕事の行き帰りにぽちぽち読んでいるので、なかなか進まないのですが、やっぱり良いです。読み終わってから感想を書こうかなと思ったのですが、いい言葉などは、気がついたときに書かないと・・・。ということで、日記にすることにします。

こまかい説明なしに、どんどん抜き出すけれど・・・

「いちばん困るのは、頭が鈍くなることだ。当社のサービスやさまざまなことについて、マスコミにさかんに取り上げられ、当社の社員もそれを信じるようになり、顧客より自分たちの方が正しいと考えるようになる。そうなったら、頭がまったく鈍くなってしまう。」(ブルース・ノードストローム)

また、ディズニーについてのくだりでは・・・
「トレーナー   われわれはどのような事業を行っているのですか。マクドナルドなら、だれでも知っているように、ハンバーガーを売っている。ディズニーは何をしているのでしょうか。

 従業員     人々を幸せにする仕事をしています。

 トレーナー   その通り。人々を幸せにする仕事をしています。相手がだれであっても、何語をしゃべる人でも、何をしている人でも、どこからきた人でも、肌の色がどうでも、それ以外のどんな違いがあっても、問題ではありません。われわれは、人々を幸せにするために働いているのです。ここには、仕事のために雇われた人はいません。全員がわれわれのショーのキャストなのです。」

・・・「ディズニーランドでは、われわれは疲れることはあっても、退屈することはない。大変な一日でも、われわれは幸せそうにしている。心からの笑顔を見せなければならない。笑顔はなかからわき出てくるものでなければならない・・・・・・。何も頼るものがなくなったときは、笑顔のために給料をもらっていることを思い出すべきだ」

 すごく元気がでる本です。

 起業のエネルギーも沸いてくると思う。

『グローバルリーダーの条件』(大前 研一、船川 淳志 著、 PHP研究所 刊)を読みました。

 アマゾンから届いてすぐ読み始めて、半日くらいで一気に読み終えました。大前さんと船川さんが対談したものを活字にまとめたものです。対談1回ぶんくらいの内容だと思うので、時間もかからないし、読みやすいです。

 書き出しの大前さんが学生時代に旅行ガイドをやっていた話のくだりが、いちばん面白かったかも。将来の約束もされていないときに、夢中になって取り組んでいる姿が思い起こされて、とても好感をもちました。

 本書のタイトルでもある「グローバルリーダー」ですが、わが国には、ほんとうに少ない。もちろん、自分なんかはその足下にも及ばないんだけど、やっぱり世界の知に伍していける人間になりたいと、ささやかながらも思い続けています。

 対談をまとめたせいか、ひとつのテーマをそれほど掘り下げることもできず、やや話が拡散してしまいますが、現下のキーワードをいろいろ取り上げながら、二人の考えを交えています。

「グローバル化」とか「リーダー」といった言葉が嫌いな方も多そうなので、なんともいえないですが、わたしには面白い本でした。興味のある方はぜひ。




『青春支援企業 ~ドリームインキュベータは挑戦する』 (山田 清機 著、プレジデント社 刊)を読みました。

 元ボストンコンサルティングの堀紘一さんが作った会社「ドリームインキュベータ」についてのドキュメンタリーです。ホンダやソニーのようなベンチャーを育てようという旗印のもと、創業支援やコンサルティングを行っているドリームインキュベータ。

 本書では、ここの社員・幹部の名前をだして、そのバックグラウンドから描き、ドリームインキュベータの姿を浮かび上がらせようとしています。

 この夢のような会社、いろいろ調べると問題も山積しているようですが、客観的な印象からすると、やっぱり面白い会社だな、と思います。多くの若者が、企業経営に対して冷ややかになりがち、または経営に参画できない立場に追いやられがちな一方で、このような「コンサル」は企業経営の面白さを堪能できます。このあたり、うらやましいな・・・。

 自分自身も、”あんなに”仕事が楽しかった日々もある一方で、働くことそのものに冷ややかになってしまうこともあります。歳を取ってしまったのだろうか。自分を甘やかしてしまったのだろうか。挫折か、堕落か。いろいろ考えちゃいますね。

 自分にムチを打って、厳しい立場に身を置く。いつもいつもできるわけではないだろうけど、そういう気概は持ち続けたいですね。


  『世界経済危機 日本の罪と罰』(野口 悠紀雄 著、ダイヤモンド社 刊)を読みました。

 超整理法の野口悠紀雄氏が現下の世界経済・日本経済を語っている本。とくに、近時の過剰なまでの円安誘導について、強く批判しています。この点においては、私も大賛成です。

 これまで、トヨタが儲かっているニュースが出れば出るほど、「ナゼ?」の思いがありました。クルマなんて、もうほとんど行き渡ってしまっているし、ガソリンも高いし。日本の工場だって海外移転したはず・・・。いや、そうじゃなかった。近年の円安誘導によって、日本の労働者の賃金は割安だったし、日本で作るモノは、割安であり、つくればつくるほど、金を生み出す「打ち出の小槌」状態だった。

 だから、野口氏はこれを「円安バブル」と指摘しています。

 この円安バブルをもって、日本の富と労働力のほとんどがアメリカに費やされてきた。そして投資したカネは、アメリカの資産デフレによってはじけてしまった。わが国は、多くのものを失ってしまった。

 日本の経済は、失われた10年から何も立ち直ってはいなかった。脱工業化がなされていなかった。GDPの見た目の向上のために、すべてをごまかしてきた・・・。

 みなさんもぜひ、読んでみてくださいね。感想聞きたいです。

 以下アマゾンの内容紹介です。
「なぜ、日本の株価はアメリカ以上に下落するのか。なぜ、円はこれほど高騰するのか。誰もが抱く疑問を氷解させ、「日本は被害者」ではなく「世界経済危機の共犯者」であることを指摘。そして、これから日本を未曾有の経済危機が襲うことの必然性を説く。冷静な現状分析から、今後なすべき対策までを野口教授が緊急提言する!
サブプライム・ローン問題に端を発し、いまや世界中を覆う経済危機。しかし、この事態に対する日本での基本認識は「これはアメリカ発の金融危機」であり「日本は巻き添えを食らっている」というものではないでしょうか。
本書では、そうした被害者的な考えを真っ向から否定し、

●今回の危機を招くうえで日本は極めて大きな役割を担っていた

ことを解き明かします。そのうえで、

●今後、アメリカ以上に厳しい大不況が日本を襲う

と警告を発しています。
大不況の規模は、年間の経済成長率でマイナス数%というこれまでにない未曾有のレベルに達する可能性さえあると著者の野口氏は指摘します。
なぜ、そこまでの危機が予想されるのでしょうか。理由は戦後の日本経済を支えて
きた「輸出立国モデル」が明確に崩壊したと考えられるからです。トヨタ、キヤノン、ソニーなど日本を代表する企業の急激な業績ダウンがそのことを端的に表しています。
一見すると、極端で過激な主張に思えるかもしれませんう。しかし、著者は極めて正統的な経済学の知見を駆使して論を展開します。その正確な分析は過去にも多くの経済情勢を見事に解き明かしてきました。
いま、日本が置かれている危機的状況を正確に理解し、今後に向けて正しい対策を立てることが喫緊の課題となっています。そのためにも、一人でも多くの方に本書をお読みいただきたいと思います。 」

『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ 』 (飯尾 潤 著、中央公論新社 刊)

「独特の官僚内閣制のもと、政治家が大胆な指導力を発揮できず、大統領制の導入さえ主張されてきた戦後日本政治。しかし一九九〇年代以降の一連の改革は、首相に対してアメリカ大統領以上の権能を与えるなど、日本国憲法が意図した議院内閣制に変えた。本書は、議会、内閣、首相、政治家、官僚、政党など議院内閣制の基盤を通し、その歴史的・国際的比較から、日本という国家の統治システムを明らかにするものである。」(「アマゾン内容紹介」より)

 橋本行革あたりから、官邸主導・政治主導への一連の改革がなされてきて、小泉政権ではご存知のとおりの「小泉劇場」政治が行われました。日本の統治システムはどのように変化がなされているのか、という点について本書は焦点をあて、旧来の日本的多元主義統治構造から、トップダウンによるリーダーシップ主導型の統治構造への移行期にあることなどを説明しています。

 このあたりは、よみもの的な本書だけでなく、西尾勝の『行政学』なんかも併読したほうがよさそう。

 おもしろい本であることには、まちがいないんだけど。政治好きの方にはおすすめです。

 そういえば、この本の編集者Sさん、知ってるー。2回くらい、飲み会でお会いした記憶が。

今日届いた本

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『数学文化 10』
(日本数学協会 編、日本評論社)
 数学文化は、日本数学協会の機関誌です。本号は、江戸時代の数学者 関孝和の特集です。没後300記念とのこと・・。数学は、欧米からの譲りもの・・・という印象をよそに、日本の和算は、代数・積分・幾何など、独特の発展がなされてきました。

・・・そう考えると藤原正彦さんがおっしゃるように、日本がなぜ、完全植民地化されなかったかがわかる・・・。識字力もさることながら、文化の力に目を見張るものがあり、単純な欧米化をするわけにはいかない・・・。そういう誇りを数学者が持っていてもおかしくないな・・・と。わたしは保守でもなんでもないですが・・。

どうもわり算にも「九九」(「八算」というそうです。)があるらしいと聞き、検索していたら本書にたどり着いたのでした。この割り算九九ですが、どうやらそろばんの操作を示すよう・・・。「二一天作五(にいちてんさくのご)」は、「1を2でわるときには、1をはらって下の位の5をたてる」操作のようです。1をわれば0.5。10をわれば、十の位の1をはらって、一の位に5を立てる・・・。

 そろばんをやっていたお友達が、「わり算もできるよ」と言っていたけど、このことなのかな・・。

 いずれにしても、おもしろいですね。

『古田の様』
(金子 達仁 著、扶桑社)
 古田敦也についてのノンフィクション。さまざまな選手からのインタビュー、対談をもとに構成されています。アマゾンでは酷評もありましたが、面白いですよ。わたしは、現日ハムの藤井秀悟投手のブログで知りました。
 本書でも頻繁に取り上げられているのが、古田のキャッチング。野球をやっていると、ふつうは、「ミットの芯で捕る」ようにと教えられるのですが、古田はアウトコースのきわどい球をミットの網で捕る。ボールの軌道は、ややアウトコースに外れていても、ミットの芯はゾーンにかすっている。そうすると審判からはストライクにみえる・・・。
 アウトコースを吸い寄せるように捕る古田のキャッチングは見事だ。ミットも横に流れたりしない。「つまむように捕る」・・・。伝わるかな・・。
 そんな話が、本書でもなされていて、やっぱりそうなんだなと。わたしの大学の野球部でも、古田のキャッチングについてはいつも話題に上がっていました。
 アウトコースのワンバウンドの球を、身体で止めにいくのが、普通のキャッチャー。古田はそこを捕りに行く。「捕れる」という絶対的な自信がなければなしえない。球際でミットを返さないので、動きがバタバタしない。見逃したバッターも、「あれ、けっこう際どかったんかな」と迷う。相手の選球眼も迷わせる。次に同じ誘い球を投げれば、振るかもしれない。
 「バックハンドよりもフォアハンドのほうがお行儀がよい」という日本の野球の固定観念では生まれることができないキャッチングといえる・・・。
 ・・・長くなりました・・。機会があれば、読んでみてくださいね。

<参考>
●Wikipedia:和算
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E7%AE%97
「和算(わさん)とは日本独自に発達した数学である。狭義には大いに発展した江戸時代のそれを指すが、西洋数学導入以前の数学全体を指すこともある。 欧州の影響外で独自に様々な高度な数学、代数学、積分法、幾何が発展した。」

●Wikipedia:関孝和
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E5%AD%9D%E5%92%8C
「関 孝和(せき たかかず、寛永17年?(1642年)3月? - 宝永5年10月24日(1708年12月5日))は、日本の江戸時代の和算家(数学者)である。本姓内山氏、通称新助。字は子豹、自由亭と号した。」

●Wikipedia:割り算九九
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E4%B9%9D
「割り算九九には八算、見一、唐目十六割、四十三割、四十四割、糸割などがある。割り声(わりごえ)、割れ声(われせい)とも呼ばれる。」

八算
「掛け算九九が珠算と無関係に有用であるのに対し、割り算九九はそろばんの珠の動きとの関連が大きい。元の頃、中国で発明され、その後日本にもたらされたものである。日本では毛利重能の割算書などによって広まった。そろばんの普及と割り算九九の普及は大きく関連している。江戸時代には帰除法のほうが一般的であった(亀井算という商除法も行われていた)」

ほん

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●財政学
『「小さな政府」の落とし穴―痛みなき財政再建路線は危険だ』(井堀 利宏 著、日本経済新聞出版社)

井堀先生の本は、なるべく買うようにしています。収集癖です。


●ワークショップやファシリテーション関係の本を買い込みました。
『ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)』
(堀 公俊 著、加藤 彰 著、日本経済新聞出版社)
「参加型研修やビジョンづくり、組織変革など、ビジネス分野でもさまざまに活用が広がるワークショップ。メンバーの主体性と相互作用をより効果的に育むプログラムづくりの手順とポイントを、初めて体系的に解説します。すぐ実践に移せるように、プログラムも17種類紹介します。
 プログラム企画のためのカード集つき。『ファシリテーション・グラフィック』『チーム・ビルディング』に続く、好評の「ファシリテーション・スキルズ」シリーズ第3弾です。 」(アマゾン内容紹介より)

『参加型開発と国際協力―変わるのはわたしたち』
(ロバート チェンバース、白鳥 清志・野田 直人 訳、明石書店)

「貧しくない「私たち」が真剣に貧困を減らそうとするなら、今迄以上に「私たち」が変わらねばならない。エキサイティングな学びと行動の変革の真っ只中にある現在、開発途上国のその変革について記す。」(アマゾン内容紹介より)

『ファシリテーターの道具箱―組織の問題解決に使えるパワーツール49』(森 時彦/ファシリテーターの道具研究会 著、ダイヤモンド社)
「困ったとき、1冊あるとべんりです!
幾何の難問も補助線を引いたらたちまち解けたという経験はありませんか? この補助線のような役割を果たす問いかけをする能力もファシリテーターには必要です。この本は、そんなファシリテーターのための「道具箱」です。さまざまな場面で使える49の「道具」が詰まっています。見開き・図解で<こんな時に使える!><この道具の使い方><使用例><さらに使いこなすためのヒント>のステップでわかりやすく紹介しています。きっと役立つヒントが見つかります。 」(アマゾン内容紹介より)


『ファシリテーター養成講座―人と組織を動かす力が身につく! 』
(森 時彦 著、ダイヤモンド社)
「解けない問題を「解けるカタチ」に変える!ビジネス・ブレークスルーの大人気講座をベースに、ファシリテーションの第一人者が実践的なスキルとマインドを解説。 」(アマゾン内容紹介より)


●教育書
『授業改革と学力評価―求同求異論からの提言』
(北尾 倫彦 著、図書文化社)
「教育の要諦は、「画一性」と「個の尊重」のバランスにあり-。教師の最も大きな仕事である授業と評価活動について、「求同求異論」を枠組みとし、具体例を挙げながら詳しく解説する。 」

『パフォーマンス評価―子どもの思考と表現を評価する』
(松下 佳代、日本標準)
「パフォーマンス評価とは何か/パフォーマンス評価の方法/パフォーマンス評価の特徴と課題/学校でこそパフォーマンス評価を 」(アマゾン内容紹介)

評価についての2冊。評価も変えたいんだけど、なかなか変わらないね。

『新自由主義教育改革―その理論・実態と対抗軸』
(佐貫 浩・世取山 洋介 編、大月書店)

佐貫先生が関わっている本なので、買ってみました。基本的に新自由主義に批判的な立場なのでしょうね。

買った本メモ

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このところ買った本のメモ
ほかにもあるけど、とりあえず。

●教育書
『小学校 新学習指導要領の展開 算数科編 平成20年版』 (金本 良通 編、明治図書)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4188384190/citizenship-22

『小学校新学習指導要領 ポイントと授業づくり 算数〈平成20年版〉』
(金本 良通 著、 滝井 章 著、赤井 利行 著、 東洋館出版社)

『活用力が育つ「算数的活動」 3年』
(全国算数授業研究会 編、東洋館出版社)

算数の新課程を勉強する必要がでてきたので。平成23年から施行です。
教育に縁のない方も、すこしかじってみてもいいかなと思って、ここにあげました。

ほかにも明治図書、東洋館の本、いくつか買ったのですが、
拾いきれないので、書きませんでした。

●政策
『政策とオーラルヒストリー』
(政策研究院政策情報プロジェクト 編、中央公論社)

御厨先生で有名な「オーラルヒストリー」を政策に活かす。政策形成もだいぶかわってきたものです・・。
社会学的というか、文化人類学的というか。

●洋書
『The Appeal』(John Grisham 著、Dell Pub Co)

『Playing for Pizza』
(John Grisham 著、Dell Pub Co)

グリシャム2作です。The Appealは、クレーン・ケミカルという企業が産業廃棄物によって地下水を汚染させ、被害者から賠償請求を受けるという民事訴訟事件から上訴請求と最高裁判事の選挙をからめて書いています。アメリカの陪審員制度の問題、企業と裏社会なども盛り込まれています。

Playing for Pizzaは、アメフト小説。気楽によめれば、と。

●エッセイ
『壁を越える技術』
(西谷 昇二 著、サンマーク出版)

西谷先生は好きだけど、とくに「心の柔肌」な感じがとくに好きで、そこが見てられないというか。子どもたちも、そういう気持ちなんだろうな・・・。まっすぐぶつかってきて、ぜんぶをさらけだすタイプのひとです。

『おとなの進路教室。 』(山田 ズーニー 著、河出書房新社)

『理解という名の愛がほしいおとなの小論文教室。』
(山田 ズーニー 著、河出書房新社)

ズーニーさんって、ベネッセの小論文担当だったのですね。小論文の指導って、「型にはめるタイプ」と「型を破らせる・型にはまらせないタイプ」の2種類ありますが、彼女は後者でした。ちょっと好感。
わたしも予備校時代、小論文は個別に指導していましたが、とりあえず型を覚えさせることにしていました。だって、落ちるとこわいもん。自分自身は「型破り派」なんですけどね。みんなには自分の人生をたどってほしくないな・・。いろんな意味で。


●ノンフィクション
『東京のドヤ街・山谷でホスピス始めました。―「きぼうのいえ」の無謀な試み 』(山本 雅基 著、 実業之日本社)
「ここはおじいちゃんの少年院!? 余命わずかな身寄りのない人々、元日雇い労働者らと暮らす、涙と笑いの日々。東京・山谷のドヤ街の一角に、在宅型のホスピスケア施設「きぼうのいえ」を開設した著者が、施設の日々を語る。 」(アマゾン内容説明より)

これはおもしろい。山谷のドヤ街にホスピスを作ってしまったひとのお話。こんな生き方したいなー。

ほかにも読みかけの2冊を紹介します。ほんとに読みかけばっかりなのでした。


● 『世界認識のための情報術』 (佐藤 優 著、 金曜日刊)

「国家主義者"佐藤優"はなぜ『週刊金曜日』に執筆を続けるのか?その疑問に答え、激動の世界情勢を語る。好評連載の「飛耳長目」に加え、400字詰め原稿用紙100枚を書き下ろし。」(アマゾン内容紹介より)

本書は、週刊金曜日に連載された佐藤優のコラムをまとめたものです。なので、ひとつのテーマで数ページくらい。無理にまとめている部分もみられますが、ひとつひとつはさらっと読めます。私は、枕の横に置いて、眠りにつく前に読んでいます。

 元外務省職員としての視点、神学部出身の学徒としての視点を織り交ぜながら、時事の分析をしています。他の著書との内容のかぶりも多々見られますが、とても楽しめる一冊です。


● 『子どもの最貧国・日本』 (山野良一 著、 光文社 刊)

「家賃を払えず、児童養護施設に預けられる3歳のミヤと4歳のシン。生活保護の申請を受理してもらえず、給食の時間までぐっとお腹が鳴るのを堪える小2のタクヤ......今や7人に1人の児童が経済的に困窮しており、ひとり親家庭はOECD諸国中で最貧困である。
日本は、アメリカと並ぶ最低水準の福祉となってしまった。 しかも、日本だけが事実を無視し、対策を取らず、貧困な子どもたちを社会的にネグレクトしている。
本書は、この問題に対して私たちの認識を研ぎ澄ますために書かれたものだ。日米の児童福祉の現場経験をふまえ、理論・歴史・統計などの多角的な視座で実態を検証し、解決策を考える。 」(アマゾン内容紹介より)

「格差社会と教育」というテーマは、教育社会学ではよくみられますが、本書は児童福祉の視点から書かれています。著者の山野さん自身もソーシャルワーカーとして児童相談所に勤務されているとのことで、自身の出会った子供たちについてのフィールドワーク的分析と、OECD調査などの資料分析、国際比較などを交えて論究を行っています。「世界最低水準のわが国の児童福祉」について、考えてみたい一冊です。

 『市場検察』(村山 治 著、文芸春秋 刊)を読みました。

 近年の市場化・グローバル化の流れにもとづき、わが国の社会システムや司法制度も大きく変化を求められてきました。このような変化をうけて、事前規制型の官僚中心主義システムから、事後チェック・一罰百戒の市場中心型の司法システムへの転換がなされてきました。本書ではこのような司法システムの構造転換のなかで、検察の役割がどのように変化してきたかを記しています。
 日米構造協議を起点に、埼玉土曜会事件、二信組破綻処理、大蔵汚職事件、KSD事件、日歯連事件、自民党の迂回献金、ライブドア・村上ファンド事件へとひも解いていきます。
 
 
 これまで日本の検察で避けられてきたとされる、「司法取引」についても、徐々にその考え方が変化してきました。実際には多くの司法取引がなされてきていたし、公取法でもリーニエンシー制度が導入されるなど、表立って制度化がなされるようになってきました。
 

 このような社会システムの変化の背後で、検察界の有力者・実力者たちがいかに動いてきたか。どれだけの影響力を放ってきたのかが、本書を読むとよくわかります。
 
 
 新聞記者特有の文体に好き嫌いが分かれるかもしれませんが、そこを乗り切れれば楽しめる一冊だと思います。

伊藤真三冊

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 とりあえず伊藤真先生の本を三冊買い込んだ。授業で本人が宣伝してたんだもん。ここまできたら気持ちのほうが大事なので、モチベーションアップのために。それぞれ30分くらいで読みました。

 今後もへこたれたら開いて、自分を元気づけようと思っています。

『一点集中力』(伊藤 真 著、サンマーク出版)
「何かを成し遂げる人は、みな「一点集中力」を持っている。余計なものを捨て、「一点」に集中するエネルギーが、とてつもない結果を生み出す。司法試験界の「カリスマ塾長」が伝授する、「ここ一番」のときに力を発揮する方法。 」
 思い悩んだときこそ、一点に集中して、そこから突破するしかない。あれもこれもと思わず、目の前のことに取り組むこと・・・。

『合格のお守り 資格試験のカリスマが教える「夢をかなえる」心の習慣〈CD付〉』 (伊藤 真 著、日本実業出版社)
「●勉強や仕事で必ずぶつかる「スランプ」や「不安」を乗り越えるために
 『合格のお守り』は、資格試験のスーパー講師として知られる伊藤真が、頑張るみなさんを勇気づけるために書いた“手紙”です。
 勉強でも仕事でも、目標に向かって努力している人には、「スランプ」や「不安」がつきもの。本当はそこから先に「グッと伸びる瞬間」があるのですが、多くの人は自信を失い、そこで挫折してしまいます。
本書では、成功をつかむまでに繰り返し訪れる「壁」や「落とし穴」と闘い、モチベーションを維持して最後までやり抜く“心の底力”を伝授します。
 本書に収録された18のメソッド=「合格のお守り」を繰り返し読めば、あなたの中に、“決して折れない心”が宿ります。」
 これはCDつきです。まこと先生のやわらかな言葉が気持ちをやわらいでくれますよ。

『続ける力―仕事・勉強で成功する王道』(伊藤 真 著、幻冬舎)
「続ける力」について、心がけやコツなど、さまざまな点から語っています。文庫本ですが、この本が一番文字量が多いです。

 
 『基礎からわかる自治体の財政分析 改訂版』(出井 信夫 著、学陽書房)を会社近くの本屋でみかけたので買いました。サラリーマンしか入らないお店なのに、なんであるんだろう。都庁のひとも入るのかなー。

 大学院で地方財政論も勉強したけれど、いまいち消化不良・・・。どこかでしっかり勉強しておきたいな。この本の最後には、ワークシート形式で財政分析ができる書式がいっぱい入っています。理論的にはなんともいえませんが、実用的かな。社会科の授業にも活用できるかも。

 フリーエージェントな本をいくつか。まだ読んでないけど、どうなんだろう、って感じです。

 自分のなかに、まだ迷いがあって。フリーな生き方について憧れがあったんだけど、じっさいに「業務委託社員」「請負社員」というものの使われ方が、結局は人件費節約なんだなと・・。

 正社員が全てでもないしね。採る側が一番非正規雇用を差別してるんじゃないの・・。


● 『全サラリーマン社長化計画 (節税ブックス) 』(高橋 節男 著、辰巳出版)
「どこにでもいる普通のサラリーマンが、「もっと自分に合った働き方はないだろうか」と悩みながら、「サラリーマン法人」の社長として「進化」していくビジネスストーリー。社長という肩書きを手に入れ、年収大幅UP、節税も可能。なのに仕事はそれまでとまったく同じまま…。新時代を生きるサラリーマンのための、そんな夢のような新しいワーキングスタイル―「サラリーマン法人」。 その具体的な方法論、メリット、社会的意義等が、物語を追っていくことで自然に分かるようになる! 」(アマゾン内容紹介より)

 企業にとっての節税じゃないのー。(-_-;) 編集プロダクション設立も、最初は業務委託社員からみたいだし、だめではないんだろうけど。うーん。よくわかんないや。

でも、実際には支払いも渋りがちだしね。


● 『わかりやすいサラリーマンの法人化計画』(瀬尾 正勝 著、二見書房)

「会社に雇われたままで本当にいいのだろうか? 週末企業やIC(インディペンデント・コントラクター)などが話題になっています。これらの多くは本業を続けながら本業と異なる仕事で起業するを説いています。しかし、サラリーマン生活何十年の中で培ったキャリア(経験や実績)をなぜ活かさないのでしょうか? そこで本書の新しい提案は、「サラリーマンの法人化」というビジネススタイルです。それは、現在の雇われる(雇用関係)働き方から自立し、法人対法人の対等な業務委託契約に基づく革新的な働き方です。30代から70代の生涯職業生活をいきいきと働くために、手取り収入26%アップの経済メリットの恩恵を受けながら、同時に「働きがい」を高めていきます。 」(アマゾン内容紹介より)

こっちもそうだけど。どうなんだろう。うーん。じぶん個人としては独立志向が強いけど、社会としてはいろいろ考えちゃう。


『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』(ダニエル ピンク 著、池村 千秋 訳、玄田 有史 監訳、ダイヤモンド社)
「本書の著者は、米上院議員の経済政策担当補佐官、労働長官の補佐官、副大統領の首席スピーチライターを務めたのち、フリーエージェントになった経験の持ち主。フリーエージェントの実態調査をといったミクロな視点と、フリーエージェントが社会に与えるインパクトといったマクロな視点からの議論がほどよくミックスされ、社会の大きな潮流をとらえた論述となっている。

「いまの仕事が永続するなどと言える人はどこにもいない。誰もが『臨時』労働者なのだ」というとおり、現代の環境においては、企業に人生すべてを賭けることは難しい。しかし、日々問題にぶつかりながらも、自分らしい働き方を模索しているフリーエージェントたちの「証言」は、本書を生き生きと彩っている。また、成功しているフリーエージェントだけではなく、万年臨時社員として不当に搾取されている層についての論述も詳しい。 」(アマゾン内容紹介より)

 政策的にどうなんだ!? ・・・というときには本書かなぁ。でもダイヤモンド社だから新自由主義立場だね。独立こそ究極の「解放」とも思えるし、そういういみではレフトからも都合のよいこともあると思うんだけど、どうなんだろう。いつもなやむ。ああなやむなやむ。

 生き方としてみるか、社会としてみるかでもちがうし。


 『野村の「眼」―弱者の戦い 』 (野村 克也 著、 ベストセラーズ刊)をよみました。

 半分くらいは、いつものノムさん本とおなじかな。でも、わたしはノムさん好きだから、何度同じ話を読んでも飽きないな・・。残りは、楽天やシダックスでの話、ノムさんの生い立ちの話などもありました。

 つねに追い求め、突き詰めていく姿勢には、読後にすがすがしさが残ります。じぶんのなかにわだかまっていたものが、透き通っていく。結果がどうであろうと、いまがどうであろうと、何かをめざし、つきつめていくプロセスが大切なのです。わたしも元気になりました。やっぱり本はたくさんよまないと。

(もっと解説しなきゃですが・・かんたんでごめんなさい。また気づいたらかきます。)

それにしても村中はいいピッチャーだなぁ。球のノビがちがう!!


はじめに 秋季キャンプ監督訓示
第1章 反骨心をもて―月見草という名の草魂
第2章 エースと四番の条件―不真面目な優等生が大成する
第3章 指揮官とは説得業である―リーダーの器
第4章 一流が一流を育てる―勝負事は“洞察とギャンブル”の心理戦である
第5章 弱者の戦い―敵を知り、己を知るということ
第6章 適材適所と意識改革が組織を変える―日本一への「再生」プロセス
第7章 いい仕事は必ず誰かが見ていてくれる―天才は妥協しない
あとがき 自己コントロールとは、欲から入っていかに欲から離れるかにある


 さいきん辞書病がふたたび再発しています。てはじめに小学館の『使い方の分かる類語例解辞典』(小学館辞典編集部編)を買いました。(じつは辞書マニアのわたし。辞書・辞典に費やした金額はかなりのもの。)
 本辞典はその名のとおり、類語辞典です。これまでは角川のものをもっていたのですが、他社のものもみてみたくなり・・・。ぱっとみた感じでは角川のほうが役立ちそうな感じ。見やすさは小学館の勝ちですが。

 たとえば、「古城/荒城/名城」の使い分け。これはあんまり役立ちそうにないなぁ。「がぶ飲み/鯨飲/牛飲/痛飲/暴飲」、鯨飲ってはじめて聞いたぞー。「思い出す/思い返す」、うーん日本人ならわかりそうだ。日本語を勉強したい外国人向け?けっこうやさしめの辞典だなぁ。小中学生にあげたら喜ばれるかも。もう少し研究の余地ありですが・・・。

 こんな感じでシソーラス(類語辞典)探しの旅は続く。


小学館『使い方の分かる類語例解辞典』(小学館辞典編集部編)

● 『角川類語新辞典』(大野 晋・浜西 正人 著、角川書店)

 
『勇気ある人々』 (ジョン・F・ケネディ著, 宮本 喜一訳、 英治出版 )

 ケネディに関する書籍は数多ある一方、彼自身の著作はとても少ないのですが、本書は彼自身が書いた著書として貴重な一冊です。しばらく絶版だったのですが、ようやく復刊したとのことでさっそく買ってきました。

 政治家の著作にあるような自伝的なものではなくて、彼にとっての先人、アメリカの指導者たちのエピソードをまとめたものです。だから「勇気ある人々」。ピュリツァー賞もとっているのですね。

 この英治出版という版元は、いい本を出していますね。読み手に媚びていないし、メッセージ性のある本を出そうという気迫が感じられます。(男性ならよく知っている英知出版と最初は間違えてしまいましたが・・・)

 やはり生まれてきたからには、「勇気あるひと」として生きたいし、生を遂げたい。勇気を与えてくれる一冊です。


<アマゾンの本書紹介文>
「だれの人生にも、自分自身の“勇気”を問われる瞬間がある。――ジョン・F・ケネディの伝説的名著、待望の復刊!

「国が自分のために何をしてくれるのかではなく、自分は国のために何ができるのかを問いかけていただきたい」――その優れたリーダーシップ、信念と良心、そして勇気にあふれる行動と発言によって全国民の心をとらえ、今なお世界中のの人々を魅了する偉大な政治家、ジョン・F・ケネディ、アメリカ合衆国第35代大統領。

キューバ危機の解決や人種差別との戦いをはじめ数々の問題に果敢に取り組んだ20世紀最高のリーダーが、自らの理想とし、心の支えとしたのは、アメリカの歴史に名を残す偉大な先人たちだった。逆境にあっても自らの信念を貫いて生きた「勇気ある人々」。ケネディは、そうした人々のエピソードをもとに、自分の信じる生き方を描き、一冊の本にまとめた。それが、全米大ベストセラーとなり、ピュリッツァー賞を受賞した本書『勇気ある人々』だ。

政治は一つの舞台に過ぎない。どんな人生であろうと、われわれは皆、ある時、自分の勇気を問われる瞬間に向き合うことになる。そのとき人は何を思い、何を守り、何を賭けて行動するのか。本書に登場する人々の、夢と幻滅、栄光と挫折、称賛、非難、妥協、苦渋の決断など、それぞれの生きざまから、われわれは何を学ぶべきなのか。ジョン・F・ケネディが、当時そして未来の読者に向けて、渾身の力をこめて書きのこした情熱と気迫の人間論。

(本文からの抜粋)
本書で私は彼らの人生を、つまり、彼らが命をかけた理想や守り抜こうとした主義主張、彼らの美徳、罪、夢と幻滅、受けた称賛、耐え抜いた誹謗中傷などを、的確に紹介しようと努めた。……彼らの人生にはどれも、……地元の人々の心を動かし、この国のあらゆる地域に住むあらゆる市民の人生を豊かにしてくれる何かがあったのだ。」

 話はかわって、ピュリツァー賞について調べていたら、日本人受賞者もいるのですね。ただし、写真部門のみ。やっぱり言葉の壁があるのかな・・・・。(ただし、ソースはウィキペディアです。)

・1961年写真部門 『浅沼社会党委員長の暗殺』 長尾靖(ながお・やすし。1930年生まれ)(毎日新聞)
・1966年写真部門 『安全への逃避』 沢田教一(さわだ・きょういち。1936年-1970年)(UPI通信社)
・1968年写真部門 『より良きころの夢』 酒井淑夫(さかい・としお。1942年-1999年)(UPI通信社)


●英治出版
 http://www.eijipress.co.jp/

ウィキペディア:ピュリツァー賞

 『夢をかなえる勉強法』(伊藤 真 著、サンマーク出版)

 おべんきょうの合間に、この本を読んでいます。伊藤塾塾長の伊藤真さん。マコトさんも学生時代はセリカに乗っていたんですって。ちょっと親近感が湧きました。それはさておき、この本、元気がでますよ。弱気の虫の治し方、夢や勉強、不安への向かい方、処し方。勉強のしかた。いろんなことについて、マコト先生なりにコメントをくださいます。
 元気がでる食べ物を決めておくとよい。とも。マコト先生は、リポビタンDなのですって。わたしは、カレーかな。大学院に行ってるときに疲れてくると市ヶ谷のカレーの王様に飛び込んで、カツかハンバーグをのせたカレーを食べました。カレーのスパイスが元気になれると信じて。なので、カレーうどんも大好きアイテムです。いまは千吉カレーうどんに凝ってますが、ファミレスでもOKです。あとは、リンガーハットのちゃんぽんかな。野菜がいっぱいなので、元気になれそう。
 元気がなくなったり、鬱になったときには、(1)お腹が減っている・栄養不足、(2)寝不足。のどちらかと勝手に決めています。「食べるか、寝る」これですよ。やっぱり。

 この本を、「お勉強のやり方マニュアル」と思って買うと、損したと思うかもしれません。でも・・・。あらゆる意味で、「自分をコントロールする、人生を楽しむ」ための本だと思えば、とても楽しめることでしょう。わたしは好きですよ、この本。それにマコト先生も。


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 まず、あなたに問いたい。
 「勉強が好きか」と問われて、「好き」と答えるか、「嫌い」と答えるか。
 勉強するということを、単に試験に合格するとか、学校の成績をあげるという目標のためだけに位置づけてしまうと、これほど退屈でつまらないものはない。
 「私は勉強が嫌いだ」と思っている人は、たいてい勉強を狭義の学校の勉強や試験勉強に限定してしまっているのだ。
 しかしそもそも勉強とは、そんな狭い意味合いのものではない。勉強とは人がそれぞれ持っている能力を最大限発揮させるために行うものである。言葉を換えれば、自分は何ができるのか、何に向いているのか、いわば自分のミッション(使命)をさがすために本来、行うものなのだ。
 自分が何のために生きているのか、その理由がわかれば、納得できる人生を送れるではないか。それはとても幸せなことだ。つまり勉強とは、幸せな人生を送るために行うものだと言い換えてもいい。
 誰だって幸せな人生を送りたい。勉強がそのための手段だとしたら、いやだとか、やりたくないとは思わないはずだ。
 しかし、「勉強はやりたいけれど、不得手である」「自分は勉強には向いてない」と言う人がいるかもしれない。そんな人でも、この本を手に取った時点で、何かの勉強をしたいと思っているわけだから、勉強に向いていないということはありえない。
 勉強に得手、不得手があるのではなく、勉強のやり方、つまり勉強法に問題があるだけなのだ。
 だから何かを成し遂げたいという欲求があるかぎり、その人は一〇〇%勉強に向いている。あとは勉強法を身につけるだけだ。心配はいらない。
 繰り返すが、勉強の目的は自分のやるべきことや本当の目的、ミッションを知り、幸せになることにある。
 勉強法とは、言ってみれば幸福を招くための方法論である。この本では勉強に対する考え方と勉強について述べている。この本を手にしたあなたは、今まさに幸せになれるきっかけをつかんだわけだ。
(本書「プロローグ」より抜粋)

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●カレーうどん千吉
 http://www.yoshinoya.com/senkichi/index.html

 
 『環境税の理論と実際』(諸富 徹 著、 有斐閣)

 この本、面白そう。さっそくアマゾンで買った。ポチッと。完全衝動買いですね・・・。ああもう!!

「資本主義経済制度の「グリーン化」への転換を担い、持続可能な発展を可能にする最も有効な公共政策手段の1つである環境税を、理論的かつ実証的に分析。同時に排出許可書取引制度を比較対象としながら随時その他の政策手段と環境税との関係を論じる。 」

よこしまくん

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『よこしまくん』(大森裕子=作、偕成社)

「よこしまのシャツを着たフェレットのよこしまくんは、ぶっきらぼうでかっこつけのへそまがり、でもにくめないやつなのです。」

http://www.kaiseisha.co.jp/cgi-bin/find3.cgi?page=frameBdt&isbn=978-4-03-965210-2


なになに、これーーー。やっぱり邪(よこしま)な性格なのかなーー。気になってねむれなーーーい。よんでみたーーい。(^。^)

マーケティング本、その他。メモです。
読んだら感想を書きます。

『芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング』(ジョアン シェフ バーンスタイン 著、 山本章子 訳、英治出版)

「芸術・文化事業を成功に導くマーケティングを明快に語る クラシック音楽、演劇、オペラといった芸術ビジネスの市場は縮小する一方だと言う人がいる。余暇の過ごし方の多様化や競争の激化、若者の芸術離れを嘆く人もいる。だが、本当にそうだろうか? 今日、多くの芸術団体が苦境にさらされている元凶は、作品の問題ではなく、マーケティングの不足ではないだろうか。世界には、効果的なマーケティング戦略によって観客数の劇的増加を実現した団体がいくつもあるのだ。 本書は、基本的・現代的なマーケティング戦略を活用し、芸術ビジネスを成功に導く効果的な方法を提示する。ロサンゼルスの「カジュアル・フライデー・コンサート」、ロンドンで大人気の「クラシック着信音」や「スーパーマーケット交響曲」、ピッツバーグの「大騒ぎオーケストラ」など、世界各地の楽しい事例を満載。 」


『コモディティ化市場のマーケティング論理』(恩蔵 直人 著、 有斐閣)


出版社/著者からの内容紹介
「技術革新,規制緩和,グローバル化が進む今日。企業の製品開発や生産能力は次第に均一化され,同じ水準での競争が展開されつつある。このような状況下で供給される製品・サービスは差別化がますます困難になり,顧客側からみても,本質的な部分で違いを見出しにくくなっているといえるだろう。こうした状況を「コモディティ化」と呼ぶ(「コモディティ」とは日用品という意味であるが,差別化されるべき製品においても,一般日用品のように差別化が難しい状況を指している)。
 このような「コモディティ化」した現代の市場を踏まえたうえで,企業はどのように戦略を構築し,さまざまな組織的課題を解決していけばいいのか? この最重要課題の解決に向けて,伝統的マーケティング論理からの発想を転換し,新たなパラダイムの全体像を描き出す。 」

出版社からのコメント
製品やサービスの「コモディティ化」は,私たち一般消費者でも日常の中でもさまざまに実感できると思います。自動販売機のお茶やビールにも色々なブランドが付いていますが,本質的な味や効能などに違いを見出すことは困難になりつつあります。デジカメなどでも,一定以上の画素数で差別化を実感させることは困難なように思います。500万画素画素と1000万画素の違いをどこまで認識できるでしょうか? 企業側からは十分に差別化しているつもりでも,顧客はほとんど違いを認知できないというケースはかなり多いように思います。

 そのような,差別化が非常に困難な現代において企業はどのようなマーケティング戦略を練っていけばいいのでしょうか。製品の微妙な機能においてイノベーションを繰り返していくだけでは,顧客が違いを認識できず,収益性につながらない可能性が高いという話もあります。

 本書は,従来からいわれてきたマーケティング論の発想を転換し,コモディティ化した市場に対応するための新しい視点を提示することでこの問題の解決に挑みます。ぜひご一読下さい。 」


『アート戦略都市 EU・日本のクリエイティブシティ』(吉本 光宏 著、国際交流基金 著、鹿島出版会)

「「創造都市(クリエイティブシティ)」として世界が注目するEU各国の最新事例をセレクト。日本での展開する姿とともに、アーティストの眼と都市政策の観点から戦略を探る。 」

内容(「BOOK」データベースより)
「アートが都市の生命力となり、荒廃した街が甦った―。文化の力で未来を創造するクリエイティブシティ。その実態と戦略をアーティストの眼と都市政策の観点から探る。 」


『コトラーのホスピタリティ&ツーリズム・マーケティング』(フィリップ・コトラー 著、ジョン・ボーエン 著、ジェームス・マーキンズ著、 白井 義男 訳、平林 祥 訳、ピアソン・エデュケーション)


「7ヶ国語で翻訳されている代表的なテキストの日本語版。本書は、ホスピタリティ・ビジネスの重要要素であるマーケティングにおいて、マーケティング活動に企業のあらゆる人材が参画しなくてはならないのは何故なのか、どのようにして参画すべきなのかを解りやすく紹介する。 」

内容(「BOOK」データベースより)
「マーケティングの世界的権威のひとりであるフィリップ・コトラーと、ホスピタリティ・マーケティングのエキスパートであるジョン・ボーエンおよびジェームズ・マーキンズによるホスピタリティ業界に関する知識を凝縮したのが、本書Marketing for Hospitality and Tourism,Third Editionである。本書は、3人の著者の豊富な知識に裏打ちされた、実践的なテキストとなっている。ホスピタリティ業界の入門者にも、経験豊かなマネジャーにも役立つ本書は、ホスピタリティ・マーケティングにおける意思決定の基盤とノウハウを読者に提供するはずだ。ホスピタリティ・ビジネスの重要要素であるマーケティングにおいて、マーケティング活動に企業のあらゆる人材が参画しなくてはならないのは何故なのか、どのようにして参画すべきなのかを紹介する。 」


『グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換』(ニコラス サリバン 著、東方雅美/渡部典子 訳、英治出版)

「携帯電話」が世界を変える。いま最も注目すべき「世界の動き」を描いた感動のドキュメント!

「アジア・アフリカの発展途上国で、携帯電話が急速に普及している。その波は、これまで電気すら通っていなかったような地域、1日2ドル未満の所得で生活する「貧困層」の人々にまで及ぶ。

携帯電話によって、経済・社会全体がダイナミックに変化しはじめた。情報通信が活発化し、農業も工業もサービス業も一気に発展。アフリカの「貧困層」の人々が、ケータイで買い物をしているのだ!

だが、なぜ、そんな「貧しい」人々に、携帯電話が広まったのか?

物語は、世界でも最も貧しい国の一つ、バングラデシュから始まる。

戦争で荒廃した祖国の発展を夢見る起業家イクバル・カディーアは、バングラデシュでの携帯電話サービス立ち上げを考え、ただ一人、さまざまな企業や投資家に、その夢を説いて回る。

彼の夢に共鳴し、協力を申し出たのは、2006年ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の総裁、ムハマド・ユヌスだった。

さらに、ノルウェーの電話会社、ジョージ・ソロスら米国の投資家、日本の総合商社・丸紅、NGO、そして現地の人々・・・夢は多くの人や企業を巻き込み、「グラミンフォン」が誕生する。
その衝撃は、アフリカ・アジア各国に、野火のように広がっている。

生活が変わり、ビジネスが生まれ、経済が興り、民主化が進む。「貧困層」として見捨てられてきた、30億人の人々が立ち上がる。世界が、大きく変わり始めた。

その全貌をドラマチックに描いた、衝撃と感動の一冊。」


『コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング』(フィリップ・コトラー 著、トーマス・ヘイズ 著、ポール・ブルーム 著、白井 義男 訳、平林 祥 訳、 ピアソン・エデュケーション)


医療機関、会計事務所、法律事務所、経営コンサルタントなどのプロフェッショナル・サービスのための、実践的なマーケティング戦略とテクニックを提供する。

内容(「MARC」データベースより)
実践的なマーケティング戦略とテクニックを提供する一冊。医療機関、会計事務所、法律事務所、経営コンサルタントなど、プロフェッショナル・サービスを提供する人々が現代の競争市場で生き残るための指針を網羅する。


『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』(ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ 著、井口 耕二 訳、日経BP社)


不特定多数に開かれたもの造りが始まった。「フラット化」の次に来る、真のもの造り革命である。ウィキノミクスの行動原理は四つ――オープン性、ピアリング、共有、グローバルな行動。活発な“事業エコシステム”として数十万(あるいは何百万)ものパートナーが協力するという、今まで夢でしかなかった生産の形態が登場しつつあるのだ。先行するP&G、ボーイング、BMW、レゴ、メルク、IBMはすでにその大きな配当を享受している。
この潮流の敗者たちは、「単にウェブサイトを立ち上げ」、「囲った“庭園”をつくり」、「自らのみで革新を進め」、「データとソフトウェアを頑なに守ろうとする」。しかし、この大波に乗じる勝者たちのほうは、「活気あるコミュニティを立ち上げ」、「開かれた“広場”をつくり」、「ユーザーを巻き込んで革新に取り組み」、「データとソフトウェアを全世界に公開してみせる」。そして、本当の変革はこれから始まるのだ。
目次から
第1章 ウィキノミクス
第2章 嵐のなかの嵐
第3章 ピア開拓者
第4章 アイデアゴラ
第5章 プロシューマー
第6章 新アレクサンドリア人
第7章 参加のプラットフォーム
第8章 世界工場
第9章 ウィキワークプレイス
第10章 コラボレーションの精神
第11章 ウィキノミクス攻略法を作ろう
※詳細な目次は「目次を見る」をご覧ください

著者について
ドン・タプスコット(Don Tapscott);
シンクタンク兼戦略コンサルティング会社New ParadigmのCEOとして企業、各国政府を相手に活躍中。長年、情報技術の進展と、ビジネス、経済社会、文化のかかわりを見つめ続けてきた。著書はベストセラー『Paradigm Shift』、『The Digital Economy』をはじめ多数。
アンソニー・D・ウィリアムズ(Anthony D. Williams);
New Paradigmのリサーチ・ディレクターを務めるイノベーションと知的財産分野のエキスパート。

コトラーの公共系のマーケティング本です。ちょっとメモがわりに。
やっぱりNPM的視点なんだろな。

● 『社会が変わるマーケティング――民間企業の知恵を公共サービスに活かす』 (フィリップ・コトラー、英治出版)

「大家フィリップ・コトラーが満を持して贈る、社会を変える方法=ソーシャル・マーケティング!」

「本書は、半世紀以上にもわたって民間企業で顧客満足を高め、売上と利益を上げるために使われてきた「マーケティング」を、社会に変革をもたらすために活用することを提案している。マーケティングの基礎から具体的な実践手法まで、そして世界中の豊富な事例を紹介する。中には日本では考えられないような事例もあり、公共分野に関心のない方も、興味深く読むことができるだろう」(訳者まえがきより)

「イギリスの学校給食を劇的に改善した有名シェフ。サービス精神が豊富なアメリカの郵政公社。フィンランドを世界で最も健康的な国に変えた「ファット(肥満)からフィット(スリム)へ」運動。官民あげて取り組まれたヨルダンの水資源節約キャンペーン。ネパールの画期的なHIV対策。……世界各国で実践されている、優れた公共サービスとそのマーケティング活動。コトラー教授が豊富な事例で「社会を変える方法」を解説する。」


『社会的責任のマーケティング―「事業の成功」と「CSR」を両立する』(フィリップ・コトラー、ナンシー・リー、著、早稲田大学大学院恩藏研究室 訳、東洋経済新報社)


『ソーシャル・マーケティング―行動変革のための戦略』(フィリップ コトラー、エデュアルド L. ロベルト著、ダイヤモンド社)

「よりよい社会づくりに貢献する実践的理論。物質的福祉の向上をめざすマーケティングから社会・文化的福祉の改善をめざすマーケティングへ。 」

「計画された社会変革を推し進めるための技法とその体系を論じる。物質的福祉の向上をめざすマーケティングから、社会・文化的福祉の改善をめざすマーケティングへ、よりよい社会づくりに貢献する実践的理論を解説。」

518EE57OogL._SS500_.jpg   『民が立つ―地域の未来をひらくために』(信濃毎日新聞社編集局 編、信濃毎日新聞社 刊)を買いました。

 本書は、2006年1月から1年半にわたって信濃毎日新聞が1面に掲載した連載企画「民が立つ」と社会面に連載した「木曽・王滝 『官』の村から」を一冊にまとめたものです。

 長野県の人々の地域づくりへの取り組みを取材し、地方自治や地域の活性化、まちづくりなどを探っています。2007年度新聞協会賞、 2006年農業ジャーナリスト賞を受賞した、渾身の取材。

  シティズンシップ教育についても、「学び」の部で特集が組まれています。私も少しだけ取材されたけど・・。  地域の活性化、 まちづくりに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

 このところ買ったり読んだりした本をご紹介します。女性が司法書士試験を勝ち取るまでを書いた2冊。不正競争防止法に関する2冊。および、業務委託や派遣法などアウトソーシングについての法律書1冊です。硬い本ばかりでつまらないかな・・・。でも、どの本も面白いですよ。


『営業秘密保護法』(千野直邦著、中央経済社刊)
 「営業秘密保護について、不正競争防止法における法規制を中心に、その歴史的展開・各国の動向を踏まえ、わが国の法制度の現状と課題について論じる。研究者のみならず企業法務担当者にも役立つ研究書」(アマゾンの著書紹介より)
 企業の営業秘密の保護法制について勉強したいので購入しました。営業秘密保護法という法律はなくて、おもに不正競争防止法がその役割を担っています。このほか不正アクセス禁止法など・・・。


『逐条解説不正競争防止法 平成18年改正版』(経済産業省知的財産政策室 編著、 有斐閣刊)

 経済産業省知的財産政策室編集の不正競争防止法の解説書です。平成18年改正について、最新の判例等を織り込みながら解説しています。新旧対照条文や営業秘密管理指針」等の関係資料なども。このあたりは企業法務でもやりがいあるところかも。あとはデューデリなんかもやってみたいなー。


『パート・派遣・業務委託等の法律実務』(石嵜信憲 編著、鈴木里士・宮本 美恵子著、 中央経済社)
 労働者派遣やパートタイム労働だけではなくて、業務委託・請負などアウトソーシングなど外部労働力の利用形態ごとに法律実務をまとめています。なかなかこういう本はないなと思って購入しました。契約書を仕事で作っていると、それぞれの法的な違い、扱い方など、いろいろ気を遣わないといけないので勉強しています。


『司法書士7カ月合格法』(柴田 幸著、ダイヤモンド社刊)
 司法試験の予備校講師、柴田孝之氏の奥様が、7ヶ月で司法書士に合格した経験を一冊にまとめたものです。女性と国家資格、女性と仕事についても考えさせる部分があります。純粋に攻略本としても有用ですよ。

『いろいろ知りたい司法書士―社会人のための受験の話&実務の話』
  (佐々木 ひろみ著、東京リーガルマインドLEC総合研究所司法 編)
  こちらはLECの司法書士講座の女性講師が書いたもの。短大を出てOLをしていた彼女が一念発起して司法書士試験の合格をつかむまでのストーリーや、LEC女性講師との対談などがまとめられています。継続して勤務することが難しい女性にとって、難関資格を取ることがいかに重要かが、本書でも述べられていました。

 『偽装請負―格差社会の労働現場』   (朝日新聞社出版局、朝日新聞特別報道チーム著) を読みました。少しまえに話題になった、偽装請負や偽装派遣の問題について、現場取材の報告をもとにまとめています。
 キャノン、松下、クリスタルグループの行ってきた偽装請負について、トヨタ系工場で起こった事故をめぐる「労災とばし」「労災隠し」の事例について、など、いま行われている請負システムにまつわる問題点がよくわかりました。
 
 このような大企業を請け負う下請け企業と、その元で働く下請労働者のおかげで、大企業は不況下においても業績を回復することができた。空前の好景気(?)といわれる復興を向かえつつあるはずの我が国の経済。しかし、一部のホワイトカラーが優遇される一方で、多くの労働者が雇用関係すら結ぶことができず、社会保険にも加入できていない。年間200万~300万ほどの年収に止まっている。

 時代の転換点において、「雇用の流動性」を高め、産業構造の転換をはかる必要があった。それは、派遣法のひとつの主旨であるといえるだろう。しかし、そのことによって、割をくう人々がいる。派遣労働者や請負労働者であることが、キャリアとして認められない現状がもっとも問題といえる。正社員がそんなにすごいか?そんなに仕事ができるか?そんなに熱心に働いてるか? ある区分の人々だけが、それだけを理由に優遇される根拠があるのだろうか。
 
 新自由主義の改革が行われたイギリスでは、QCAとよばれる公的機関が、各産業の職能資格を細かく定めている。このことによって、職業能力を保証し、各労働者が転職しやすいようになっている。我が国のように、ひとつの社内ですらまともに職能制度が整っていないのであれば、転職活動をしても能力の保証が難しい。キャリアがはっきりしないのだ。
 
 また、イギリスやアメリカでは、コミュニティ・カレッジが各自治体ごとにあって、無料に近い金額で、職能資格を得ることができる。時代に合わない産業の人々が、職を失ったとしても、あらたな職能を得る可能性がある。実際にはそれでも難しいことも多いけれど、そのくらいのジャンピングボード政策が必要といえる。

 「セーフティネットからジャンピングボードへ」

 今後の社会政策のキーワードになる。もちろん「ソーシャル・インクルージョン」も大切。


●厚生労働省 主な制度紹介 「職業安定局」
 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/index.html#anteikyoku

●厚生労働省「平成16年3月1日から、改正職業安定法及び改正労働者派遣法が施行されます。」

 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kaisei/

●労働安全衛生法
 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S47/S47HO057.html

<文献>
● 『偽装請負―格差社会の労働現場』 (朝日新聞社出版局、朝日新聞特別報道チーム著)

● 『派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる』  (宝島社新書、門倉 貴史)

● 『イラストでわかる 新版 知らないと損する労働者派遣法』 (東洋経済新報社、派遣労働ネットワーク)

 三浦綾子の「氷点」を読みました。

「・・・あざやかな焔(ほのお)の色を見つめながら、陽子は、いまこそ人間の罪を真にゆるし得る神のあることを思った。神の子の聖なる生命でしか、罪はあがない得ないものであると、順子から聞いていたことが、いまは素直に信じられた。この非情な自分をゆるし、だまって受けいれてくれる方がいる。なぜ、そのことがいままで信じられなかったのか、陽子は不思議だった。

 焔の色が、次第にあせて行った。陽子は静かに頭を垂れた。どのように祈るべきか、言葉を知らなかった。陽子はただ、一切をゆるして欲しいと思いつづけていた。」

 陽子は、流氷が焔のように赤く染まる光景を目前にして、これまでの生涯を振り返りながら、人間を超えた大いなる者の意志を実感する。この聖なる存在こそが、全ての人間が生まれながらにもちうる罪を、許すことができると気づく。全編を通して貫かれる「人間の罪」とそれを唯一「ゆるす」ことのできる大いなるものの存在。

 「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」、愛とは得るべきものではなく、与えるものである。たとえ手や足が失われようと、それが愛する者のためであるのなら、失われた手や足は彼の死後もなお、真の意味で生き続ける。愛とは、愛する者にその身を捧げることである、という。

 二人の男の間で揺れながらも、陽子は最後に結論を出す。


●氷点(上)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041437032/citizenship-22

●氷点(下)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041437040/citizenship-22

●続・氷点(上)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041437059/citizenship-22

●続・氷点(下)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041437067/citizenship-22


教育2冊

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今日は大学近くの本屋で2冊の本を買いました。


 1冊めは、『比較教育学―越境のレッスン』(馬越 徹、 東信堂)

 本書は、大きく2部に分かれていて、第1部では比較教育学方法論、第2部は比較教育学研究となっています。前者では、現在扱われている問題群、これまでの研究動向、各機関・学会の位置づけ、ジャーナルについて、「地域研究」など。後者では、アジア(とくに韓国)における高等教育、歴史教育、留学生教育、エスニシティ・・など具体的な研究実践についてページを割いています。


 2冊めは、『世界のシティズンシップ教育―グローバル時代の国民/市民形成』(嶺井 明子編、東信堂)
 シティズンシップ教育は、ひらたくいえば日本の公民のことなんですが、グローバル化の流れのなかで、「市民とは何か」があらためて問われてきています。そんなことから日本の「公民」ももう一度意味を問い直している、というところでしょうか。本書では、本当に世界中の多くの国のカリキュラムについて紹介しています。担当執筆者によって、その深さは異なり、やや表面的な制度紹介に終わっているものもあれば、個別の事例を紹介しているものもあります。
 私は日本・イギリス・アメリカくらいしかきちんと調べていなかったので、おおまかに各国の制度をつかむのに役立ちました。イギリスについては物足りないかも・・。

A Time to Kill

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 ジャン・グリシャムも2冊目のA Time to Kill を読み終わりました。映画「評決のとき」の原作といえばわかるかしら。
 10歳の黒人の女の子が、2人の白人の若者にレイプされ、木に吊るされたり、おまけに小便をかけられたり、川に投げ捨てられたりと残忍極まりない扱いを受ける。そして、一命は取りとめたものの子供を生めない体になってしまう。怒りの頂点に達した彼女の父親は、裁判所に銃をもって駆け込み、加害者を殺害してしまう。
 本作の焦点は、この父親が無罪になるかどうか。そして、アメリカの陪審員制度がどのように作用するか。白人と黒人の間の争いは・・。この父親は、犯行時に正常な判断能力があったのかどうか。

 アマゾンの(映画の)レビューでも、かなり評価されていますね。結末の取り扱いは賛否があるようですが。

 ここ数日かけて、 『編集者という病い』(見城徹、太田出版)を読みました。本書は、幻冬舎社長 見城徹氏の自伝的エッセイ集です。書き下ろしはほとんどなく、これまでの執筆や対談をまとめたもののようです。内容的にも同じことが何度も書かれていて・・・。

 廣済堂を辞めて、角川書店にアルバイトでもぐりこみ、そこからようやく社員にしてもらう。その後角川を去って、幻冬舎を立ち上げる。
 尾崎豊、石原慎太郎、ユーミン、五木寛之・・・。などとのやり取り。

 などなど・・・。

 読んだ方いるかな...。


 高杉良『労働貴族』(講談社文庫)を読みました。

 日産の労働組合の委員長、塩路一郎は、労働者の代表という立場でありながら、豪華クルーザーで女性と過ごしたり、銀座で女性を侍らせたり、品川区に7LDKの自宅には、組合所有のプレジデントとフェアレディZ2台もあるという。彼曰く、「労組の代表は、役員と同等の待遇であるべき」という。

 その日産の社長石原氏が、この塩路氏の反対・妨害にあいながらも、生産拠点の英国進出を果たすまでの道のりを描いています。

 本書は、「記録小説」という名を用いていますが、小説というよりドキュメンタリーという感じです。筆者の著書すべてにいえますが、小説としての面白さよりも社会勉強のための本という印象です。経営権や事前協議制について、労働組合の存在について、考えるいい材料になりました。

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 だいぶ前に、スカパーのGLCチャンネルのアンケートに答えたのですが、 今日になって抽選に当たったというお手紙と賞品が届きました。その賞品が、左の「Tommy's Sunset」です。

 本書は、 『トミーの夕陽』(鶴島 緋沙子、柘植書房新社)を英訳したものです。この話は、山田洋次監督の 『学校3』のストーリーのもとにもなっているとか。(そのなかの2章を英訳したものだそうです。)

 自閉症の息子と母親の物語であり、そのモデルは原作者である鶴島緋沙子さん自身であるとのこと。 早速、 原作も発注しました。

 

 

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 中はこんな雰囲気です。表紙とカットは旦那さまがお描きになったそうです。英訳は、石川真弓さん、英文校正は、 『世界がもし百人の村だったら』のダグラス・スミスさんが担当されたとのこと。石川さんがたまたま本書を読む機会があり、ご自分から翻訳を申し出たそうです。
 本の世界は、地道な人と人との出会いから始まるものなんですよね。

 

 これを書いていて、思い出したのが、パールバックの 『The Child Who Never Grew』です。(邦訳は、『母よ嘆くなかれ』(伊藤隆二訳、法政大学出版局) パールバックも知的障害をもつ娘をもち、そのエピソードと内省が本書に描かれています。わたしの兄も知的障害をもっていて、 本書を母とわたしで回し読みしました。本書の、娘を施設に入れるに至るまでの話が、兄の施設入所のきっかけにもなったのでした。

 どちらも、もし機会がございましたら、読んでみてくださいね。ご感想をお聞かせいただければ幸いです。

■鶴島緋沙子さんのホームページ
 http://www2.ocn.ne.jp/~tommy1/

『トミーの夕陽』(鶴島緋沙子、柘植書房新社)

『The Child Who Never Grew』(Pearl S. Buck, Woodbine House)

『母よ嘆くなかれ』(パール・バック著、伊藤隆二訳、法政大学出版局)

『大地』(パール・バック著、新居格・中野好夫訳、新潮社)

『若き女性のための人生論 』(パール・バック 著、 石垣綾子訳、 角川書店)
 この本はとくに好きな女性に読んでほしい...。

 『思索紀行 ―ぼくはこんな旅をしてきた』(立花 隆、情報書籍社)を読みました。

anti-zionism

 本書は、その名の通り立花隆の紀行文です。いつもの立花節さながらに、旅行遍歴の一部を語ります。いつもは、彼の論調を補強するために、旅行(現地取材)の話が取り入れられますが、本書では旅が起点になって、ときには内省へと向かい、ときには時勢を語ります。実際にはふつうの旅行記ではなく、いわゆるエッセイ・評論なので、「思索紀行」と名のっています。


■概要:さまざまな国を渡り、多岐にわたる話題に触れる

 ですから、話題は多岐にわたります。ギリシア、トルコ、イラン、イラクへの古代遺跡めぐり。無人島での体験、モンゴルでの皆既日食。フランスのブルゴーニュで日本のソムリエと一緒にワイン修行の旅。ギリシアのアトス半島での修道院の旅では、「神のための音楽」に耳を傾ける。
 パラグアイ、アルゼンチン、ブラジルの三国の国境周辺にあるイグアスでは、イエズス会の伝道師たちがインディオを教化し、理想の伝道村を作った。
 大学時代には反戦映画の上映を企画し、ヨーロッパを放浪。レバノン、イスラエル、ヨルダンなどを歩き、パレスチナ問題についての彼なりの見解をまとめる。
 ニューヨークの9・11についても。


■イエズス会の創った理想郷・伝道村、スペイン・ポルトガル軍によるインディオへの虐殺

 衝撃的なのは、イグアス紀行の章での、スペイン人たちによるインディオの虐殺、略取・・。当時の白人にとって、インディオは人間に見えなかったらしく、「インディオが人間か動物か」という議論がなされ、本国からも調査団が派遣されたほど。彼らの発するものが、言葉とすら取れなかったのだろう。
 あるときは、スペイン人が犬を連れてうさぎ狩りにでかけたところ、獲物が獲られず、犬の空腹を見かねたそのスペイン人が、インディオの母子から幼子を奪い、その腕と足を短刀で切り、犬に分け与えたという。犬がそれを食い尽くすと、さらにその胴体も投げ与えた・・・。

 あるときには、降伏したインディオを戦力にし、他のインディオと戦わせたが、彼らに食事を与えることはなかった。その代わりに、捕らえたインディオを食べるのを許していたという。

 立花隆が、この地に向かうきっかけになったのが、『ミッション』という映画。イエズス会の伝道村と、そこに攻め入るスペイン・ポルトガルの連合軍の話。伝道村の内部は、武力抗戦派と非暴力不服従派に分かれる・・・。こちらもあわせて見ると分かりやすい・・・。


■パレスチナ報告:シオニズムとユダヤ人、パレスチナ人

 パレスチナ問題については、実際の取材と文献による考察によって、シオニズムとパレスチナ、イスラム教とユダヤ教についてがよくわかります。あくまで彼なりの見方ではありますが・・・。じつは、シオニズムはユダヤ人全体から支持を受けているわけではない、それどころかユダヤ人のなかには一貫して強い反シオニズム運動すらあるという。
 また、あるときは、シオニストとナチスが協力すらしていた。ナチスはユダヤ人を追い出したいという段階では、ユダヤ国家を設立しエルサレムに帰ろうとするシオニストと利害が一致していた・・・。

 一方の、イスラエル建設によって追い出された旧パレスチナのパレスチナ人はどうか・・。立花は、レバノンのベイルートにある、パレスチナ人の小学校を訪ねる。パレスチナ人の学校は、その学校のおかれている国のカリキュラムに従って教えられており、この学校であればレバノンのカリキュラムに沿っている。
 しかし、歴史と地理だけは、特別な時間をとって教えられているとのこと。地理の教科書には、パレスチナの産業が開設され、写真も1948年以前のものが扱われている。イスラエルの誇る工業については触れられていない・・・。(私が英国に行ったときにレバノン人の留学生とお話する機会があったのですが、彼いわく、レバノンでは地域によって歴史・地理の教科書が違っており、それぞれの民族によって歴史の解釈に差異があり、紛争のもとになってしまうから、とのことでした。ここでそれらがつながります。)


■9・11とパレスチナ

 ニューヨークの自爆テロとパレスチナの考察では、ブッシュがテロリストへの闘いを『十字軍』と表現したことによって、アフガニスタン以外のイスラム諸国からの協力が得られなかったいきさつが描かれている。ジハードは、イスラム教徒とキリスト教徒との戦いであるから、もっともだ・・。このあたりは、 『アラブから見た十字軍』(アミン・マアルーフ、筑摩書房)を引き合いに出しています。


 ・・・解釈がまちがっていたらゴメンナサイ。そのときには、ご教示いただければ幸いです。


■第2弾へ:エーゲ海の旅

 さて、この本の帯には、「立花隆の世界思想紀行、第1弾!!」とあります。どうやら、第2弾は、『エーゲ―永遠回帰の海』 (立花 隆 著、須田 慎太郎 写真、書籍情報社)のもよう。おそらく、第1弾では軽く触れるだけだった、ギリシア、トルコの取材旅行の部分を掘り下げての一冊だと思います。時間があれば読んでみたいな・・。(つぎはトインビーを読むつもりなのでした。)


■追記:反シオニズム運動
 冒頭の写真は、2005年5月のロンドンで撮った写真です。左側のピンクの横断幕には、「ZIONISM IS RACISM」とあり、反シオニズム運動のデモ行進であることがわかります。この『思索紀行』を読んで思い出したので、載せてみました。

■メモ
・シオニズムを批判するユダヤ人たち
 http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_hd/a6fhd100.html
Wikipedia:シオニズム
Wikipedia:反シオニズム

 『ひとりぼっちの私が市長になった! 』(草間 吉夫、講談社)を読みました。

 茨城県高萩市長 草間吉夫氏は、生後3日で乳児院に預けられ、その後児童養護施設で育つ。東北福祉大で福祉を専攻し、松下政経塾に入塾。卒業後は児童養護施設の職員などを経て、自身の育った臨海学園のある高萩市の市長に。

 本書は、自身の半生と、児童福祉の実情、先進国での事例などが盛り込まれています。施設で育った一人の人間に引き寄せられながら、福祉政策をどう改善していけばよいかへとつながっていく。
 とくにカナダの事例については、わが国との違いもよくわかり、勉強になります。キリスト教圏とは福祉も学校教育も成り立ちが違いすぎて、同じようにはできないかもなと思いつつ、日本も見習わないといけないと思うこともしばしば。

 日本の社会福祉施設は、地域の篤志家によって創設される同族経営であるが、欧米では教会を中心に発展したためパブリックな性格をもっているという。このような生い立ちの違いのせいで、わが国の福祉施設は、地域の人々からは遠い存在であり、触れ合う機会も少ない。とくに児童養護施設は、そこが何の目的の施設であるかも理解されず、周囲からの偏見もいっこうになくならない。

 カナダでは、自らの体験を語り合う「スピークアウト」という活動があるそうです。わが国にも必要かもしれませんね。

●松下政経塾 草間吉夫氏のプロフィール(論文なども載っています)
 http://www.mskj.or.jp/profile/kusa.html



 

 きのうの帰りに、駅の本屋で絵本を買いました。 「からすのパンやさん」(かこさとし、偕成社)

 個性豊かなからすたちと、さまざまなパンがとても楽しい。いちごぱん、ゆきだるまぱん、かたつむりぱん、ぺんぎんぱん・・・などなど。 ひとつひとつのパンを眺めているだけでも、こどもたちは時間を忘れてしまうでしょう。
 そして社会とのかかわりや、なかまと力をあわせることなど、ちょっとしたよのなか入門にもなっています。
 奥付をみたら324刷とありました・・・。すごい・・・。
 

 先日観た椎名誠の絵本の番組で、児童書の専門店の方がおっしゃっていたのですが、子どもが選ぶ絵本は、 学校や幼稚園の先生がいちど読み聞かせてくれたものを選ぶそうです。親御さんは、もう読んだんだからちがうのにしなさい、 っていうにもかかわらず。本屋さんはそこで、「親が買い与えたい本と子どもが欲しがる本の2冊買うのがいいでしょう」 とアドバイスするんですって。

  気に入った絵本を何度も何度もよむ。パパやママに何度もよんでもらう。子どもはきっと絵や、韻のよさ、くりかえし、 リズム感なども大切にするんだろうなと思います。何度読んでも飽きない絵本って、 そういうところですよね。

 この「からすのパンやさん」は、やや字数が多く、内容的には低学年の子がひとりでよむにはきついかも。(読めない字もないので、 気力のある子ならちいさな子でもよめます。) ちいさな子は、よみきかせできかせてもらうか、絵をみて、 パンをながめるかんじがよさそうです。
 
 わたしの絵本研究はつづく...。 

 いま、NHK教育の再放送、ETV特集「椎名誠の絵本を旅する」を見ています。

 http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html

出演 椎名  誠, 山下 洋輔, 五味 太郎, 茂木健一郎, 松居  直, 【語り】高橋 美鈴

 そういえば、大学時代、椎名誠、よく読んだんだった。大学のある国分寺を舞台にしたエッセイもありました。

 年間1300冊以上出版され、いま日本は絵本ブームということです。都心の大きな本屋さんに行くと、絵本コーナーの本の多さにびっくりします。わたしのまけじ魂で、なんとか絵本の世界に一石投じてみたいという思いもあるのですが、まだピンとこなくて・・・。こんな言い方は絵本をご専門の編集者さんに失礼ですよね。でも、激戦区の世界に飛び込んでみたい気持ちもやっぱりあります。(ほかの書籍だって激戦区ですよね。しかし。)

 思い起こせば教育学部に在籍していて、絵本とはわりと近いところに暮らしていたほう。絵本大好き人間にはかないませんが・・・。教育実習でも読み聞かせをしましたし、生協も絵本や児童文学がいっぱいでした。教科書づくりも、私の担当教科はとくに絵本に近かった・・・。何が何だかわからずに編集したあの頃、思い起こすだけで恥ずかしいですが・・・。もう一回やりたかった気持ちもありつつ、会社を飛び出してしまったわたし。

 絵本って、いろいろですよね、ほんとうに。ナンセンスで意味不明だったり。韻だけにとにかくこだわったり。絵だけにこだわったり。セリフもなかったり。

「情報量が少ないぶん、空き地で遊ぶように、繰り返し繰り返し読み返せる」「空き地があったり、雑木林があるように」 いつも見かけて、手にとっていられるものが、子どもにとって大切な本なのかもしれない。


 何かいてるかよくわからないわたしですが、一般書は初版を売り切り、増刷させるために企画の立て方、なんとなくわかったんです。いや、まぐれあたり?守りに入りすぎ? などいろいろなご指摘もあるかと存じますが・・・。 そうじゃなくて、マーケティングが一見通用しないような分野で、どう企画を立てるか、挑戦してみたいですよね。 いくつか定石もありそう、ここ数年ずっと調べています。(^^

 あけましておめでとうございます。

 いつも本ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
 本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ごあいさつのかわりに、わたしの大好きな本を紹介します。

『晴れた日には希望が見える―全盲の大臣と4頭の盲導犬』(デイヴィッド・ブランケット、朝日新聞社)

 メールマガジンなどでもご紹介したことがあるので、すでにご存知の方も多いと思います。本書の著者デイヴィッド・ブランケット氏は、英国の元教育技能省の大臣であり、英国史上初の全盲の大臣として有名です。残念なことに、私が英国視察に行った頃に、スキャンダルがらみで失脚しましたが・・。

 それでも、彼の半生は敬服すべきものであり、読むものに勇気と希望を与えてくれます。彼のつきあってきた4匹の盲導犬とのエピソードやハプニングも微笑ましく描かれています。地方議会や国会だけでなく多くの公式行事も盲導犬と行動をともにし、盲導犬が議会を走り回ってしまったり、子どものアイスを食べてしまったり・・・。そして、全盲の彼を支えた多くの人々との出会いについても。彼を受け入れる市民社会の懐の大きさ、彼自身の努力についても。

 わが国でも、これだけの支えと、懐の大きさがあれば・・・。視覚障害者である麻原彰晃がオウム真理教をつくり、社会に反目したこととは明らかに対照的に映ります。このふたりは何が異なり、何が同じなのでしょうか。ふたりを生み出した社会背景は何が異なるのでしょうか。

●松下政経塾15期生 平島廣志氏のレポートにも書評がありました。
  http://www.mskj.or.jp/getsurei/hira9804.html

●原書はこちらです。オーディオブックもあります。
"On a Clear Day", David Blunkett, Alex MacCormick,Michael O'Mara Books

●むかし書いた書評もつけておきます。

『巨人軍論』

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 ここ数日の合間をみつけて、野村克也監督の『巨人軍論』を読みました。

 「職人気質の人間が多いプロ野球選手は、自分ひとりでうまくなったとか自分の力で勝てたと錯覚しがちである。だが、周りの人間は決してそうは思っていないことが往々にしてあるものだ。
 その人間の価値や存在感は、他人が決めるのである。自己愛で生きている自分の評価より、他人が下した評価こそが正しいのである。だからこそ、謙虚さや素直さが求められるわけだが、であるならば指導者はそういうことを選手に理解させなければならない。そうした意識の積み重ねがチームプレーにつながっていくからである。」

 あんまり線も引かず、さらりと読んでしまったのですが、ここのところは印象に残りました。有頂天にならずに、客観的に自分を見ることの大切さ。 わたしはいいときは有頂天になりますが、それ以外は自分を低く見てしまうタイプなので、現実から眼をそむけがち・・・。バランスが難しいんですよね。
 

 アメリカ教育使節団報告書

今日の一冊、というほどではないですが・・・。

  『アメリカ教育使節団報告書』 (村井 実 訳,講談社)を買いました。教育基本法でゆれるわが国の戦後教育を創った報告書です。 (あまり国民的議論になっていないですが・・・)

 

 そもそも基本法があるから、イデオロギーでゆれるのかもしれない・・・。個別法だったら、改正しないでいられないでしょう。 学校教育法改正のとき、騒がなかったくせに・・。

 でもね、シャウプ勧告しかり、GHQしかり、アメリカ教育使節団もしかり、「右」も「左」もアメリカアメリカ騒ぎすぎですよね。 財政学の授業でも、シャウプ勧告がバイブルのようになっています・・・。

 教育改革について修論を書いているのですが、ここまでさかのぼるべきかどうか。なやみます。

 

 
 私の家には、読みかけの本がゴロゴロしていて、いつもつまずきます。いわゆるツンドクなのですが、そのうち忘れてしまう。 歩く場所に困るほどに・・・。修論終わるまでは仕方ないかなぁ。
 
 だいたいつまずいたときに、また読みたくなって開き、再開する・・。なので、一気に短期間で読む本もあれば、1年以上かかる本もある・ ・・。
 
 どの本も、思い考え、悩んだりした中で選んだ本ばかりなので、思い出がいっぱいつまっています。読んでもいない本なのに、 捨てられないし、人に譲ることもできない・・。(なので私の家は本に埋もれている・・)
 
 そんな話はさておき、最近つまずいて発掘された本はこの 『「ニューヨークタイムズ」神話-』   (ハワード フリール 、リチャード フォーク著、三交社)です。帯には、 「『ニューヨークタイムズ』は本当にその名声と評価に見合う報道を行っているのか」とあり、 とくにイラク報道などにおけるメディアの不正、ミスリードを指摘しています。
 
 本書のなかで、国際法と対外政策の関係について、幾度となく言及されており、その最高法規性を訴えています。 (読んでいるところまでですが。)
 
 ニューヨーク・タイムズつながりでは、 『「ニューヨーク・タイムズ」が見た第二次世界大戦〈上〉1939~1942 』(ダグラス ブリンクリー 編, 原書房) も面白そうですね。(買ったような気もするのですが、見当たらない・・・。最近、何度も同じ本を買ってしまうのですが、 みなさんはどうです??)
 
 修論やらなきゃならないときに限って、ほかの本を読みたくなります・・・。

 

 先日、元衆議院議員山本譲司氏の著書 『獄窓記』(新潮社) 『累犯障害者』(ポプラ社)を読みました。話題になった本なのでみなさんもご存知かもしれませんね。
 どちらも法を犯した障害者「触法障害者」についての本だと思ったのですが、とくに『獄窓記』のほうは、 どちらかというと刑務所の内情や検察など、司法・行政全般を記した、という感じです。
 『累犯障害者』のほうが、より障害者の犯罪環境にフォーカスしています。「ろうあ者だけの暴力団」「親子で売春婦の知的障害者」 「障害者一家による障害者の監禁致死事件」などの事件の裏側にある障害者のおかれた生活環境を分析し、社会環境の改善を訴えています。
 
 また、「生まれつきの聴覚に障害をもった方」と「あとから聴覚に障害をもった方」の言語認識や考え方の違いについても説明しています。 「生まれつきの聴覚障害者」にとって、私たちの話す日本語は、「外国語」にすぎない。そのため、健常者の使う手話は、日本語をもとにしているため、 ほとんど理解できないということです。ひとつひとつの単語も学習によって身につけているので、認識語彙のレベルにも差があり、発想にもかなりの差があるという。
 (でも、悪いことばかりじゃないと思うんです。私が大学の数学科にいたときに聞いた話では、 盲目の数学者が7次元まで認識できたといいます。3次元空間への固執がないぶん、多次元を認識できたのでしょう。)
 この認識の差が、裁判でも聴覚障害者に不利にはたらくとのこと...。
 ほかにも、ろう学校での教育方針が社会への順応にマイナスに働いているのではないかとの指摘がされています。(私の記憶が正しければ) 口話法の獲得にほとんどの時間が費やされ、知的教養やリテラシーの涵養がやや軽いのではないか、と筆者はいいます。
 (今日は時間がないので、ここまでにとどめます。みなさんの感想もお聞かせいただければ幸いです。)

 「官邸主導」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。言葉のとおり、官邸が主導する・・・のです・・・。(怒らないで・・)
 これまで、(各省庁が、族議員や関係団体も含むステイクホルダーを代表して、予算取りなどを争い合う)個別省庁の利害関係の争いによって、 政策形成・決定がなされてきました。(といわれてきました) このような政策過程では、最初はうまい政策でも、各省庁の利害調整の末、 とても薄まった味気ないものになりがちです。(といわれてきました・・(汗))
 こうなってしまうと、政治(与党)も黙ってはいません。橋本政権では、「財政構造改革会議」によるトップダウン構造を作りました。 小渕政権でも、「経済戦略会議」「産業競争力会議」を官邸におきました。森政権では、「経済財政諮問会議」ができました。徐々に、 トップダウンの政策決定・形成ができるしくみをつくってきています。本書 『官邸主導 ~小泉純一郎の革命~』(清水真人、日本経済新聞社)は、その過程を克明に記しています。

  ホリエモンの逮捕の騒ぎがあってから、「国策捜査」について調べてみたくなり、いくつか本を読んだりしています。 表題の 「国家の罠 ~外務省のラスプーチンと呼ばれて」(佐藤優著、新潮社、2005年)も、国策捜査に関する本のひとつです。

 「これは国策捜査なんだから。あなたが捕まった理由は簡単。あなたと鈴木宗男をつなげる事件を作るため。国策捜査は『時代のけじめ』 をつけるために必要なんです。時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです」
 「見事僕はそれに当たってしまったわけだ」
 「そういうこと。運が悪かったとしかいえない」
 「しかし、僕が悪運を引き寄せた面もある。今まで、普通に行われてきた、否、それよりも評価、奨励されてきた価値が、 ある時点から逆転するわけか」
 「そういうこと。評価の基準が変わるんだ。何かハードルが下がってくるんだ」

(p.287)

 

ロバート・サブダという絵本作家をご存じでしょうか。
彼は、素敵な飛び出す絵本をたくさん輩出しています。

これだけ手のこんだ絵本で、2000円ほど。どうしたらこんな値段で
出せるのでしょう・・・。びっくり。

http://hazuki.nobody.jp/new_zakka_sabuda.html

 

 

『甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』

門田 隆将 (著) 講談社 ; ISBN: 4062129663 ; (2005/06)

 大学院の帰りにこの本を買い、一気に読みました。

 高畠導宏氏は、南海、ロッテ、ヤクルト、ダイエー、中日、オリックス、千葉ロッテを渡り歩いたプロ野球の打撃コーチです。

 約30年のコーチ生活を通じて、多くの選手を育て、タイトル・ホルダーを輩出しています。明確な打撃理論だけでなく、配球を読み、 投手のクセを見抜くことを強調し、プロ野球でどのようにメシを食べていけばよいかを選手に開眼させていく・・・。徹底的に選手を褒め、 良いところを伸ばしていく指導スタイル、厚い人望・・・。

 その高畠が最後に行き着くのは、「心」だといいます。意思の強さが、野球選手の一生を左右する。そこで彼は、 日本大学の通信課程で心理学や教育学を学ぶことになります。58歳になって、教員免許を取り、社会科教師として教壇に立ち、 プロアマ協定による2年後には野球部の監督として甲子園を目指すのです。

 しかし、彼は膵臓ガンを患い、60歳でこの世を去ることになる。

 野球好きの方はもちろん、野球に縁のない方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

 心に留まった一節を紹介します。

 『30年のコーチ人生で掴んだ高畠の通達点、それは、

「才能とは、逃げ出さないこと」

「平凡のくり返しが非凡になる」

という真理にほかならない。腕に覚えがある才能溢れる若者たちの集う中で、その指導を30年もつづけた高畠が、” 才能とは逃げ出さないことだ”という言葉を見つけるまで、いったい何人の若者の挫折を目にしたことだろうか。  』

『”気力”は一朝一夕に出来るものではない。まず、心の中に燃えるような熱意をもつことである。そして、 その熱意を持続せしめるのである。無意識の世界、ただなんとなくという意識からは、決して”気力”は生まれてこない。』

 

 何度も何度も、野球を諦めて、そしてもとに戻ってを繰り返した私自身の人生を振り返り、赤面する思い。 やるだけのことをやって諦めたのだろうか、もう少しやれただろうか。今でもやっぱり夢に出てくることがある。真夏のグラウンドで、 私にはもう野球はできないと思ったときのことを。

 このときの思いが、胸の痛みが、皮肉にもいまの私を支え続けている。次の人生であんなことはするまい、 大切なものや大好きなものを投げ出すまいと私の心で叫び続ける。

ポール・オースターが朗読する ナショナル・ストーリー・プロジェクト

ポール・オースター (編集), 柴田 元幸 (翻訳)

単行本: 229 p ; サイズ(cm): 22

出版社: アルク ; ISBN: 4757409060 ; (2005/08/23)  

『ポール・オースターが朗読する ナショナル・ストーリー・プロジェクト』という本を買ってきました。

 

 アメリカの人気作家ポール・オースターが「ナショナル・ ストーリープロジェクト」というラジオ番組のホストを勤めました。 この番組のリスナーから、実話を募り、 オースターが選んだものを朗読します。

  希代のストーリーテラーと呼ばれる彼が、 この同時代を生きるアメリカ人の生の声を届けます。 ときにポップなものもあれば、ときに含蓄に富むものもある。本書には、 彼の朗読CDがついています。 英語そのもののリズム、 韻を楽しみながら、アメリカを読み解きたい。

  なお、 この本は新潮社から出ている同名のナショナル・ ストーリー・プロジェクトから、18本のストーリーを選びCDをつけたものです。興味をもった方はこちらをお読みください。

  しばらく美しい言葉に浸りたい。最近は論文や、政治の本ばかりで味わいがない。

  昔は、 英語の授業でも詩の朗読などがあったと思います。そういう先生に対して、「受験に役立たない」なんて言ったり。 でも、 詩を学ぶのは、英語のリズムを学ぶのにもぴったりなのですね。 かつて翻訳家の宮崎尊先生のもとに学んだ私は、聖書、マザーグース、 シェイクスピアなど、受験に役立たないはずのものを浪人時代に読んだものでした。

『それゆけさかなくん!』ルーシー・カズンズ著、なぎ・ともこ翻訳

偕成社 (2005年8月)

『メイシーちゃん』でおなじみのルーシー・カズンズさんにお会いしてサインをもらってきました!

 『それゆけさかなくん』は、さかなくんのお友達を次々に紹介していきます。私はおさかな好きなので、とても好きな作品になりました。

 

 

 

しかし、せっかくサインしてもらうのですから、メイシーちゃんじゃないと・・・。

ということで、 『メイシーちゃんとにじいろのゆめ』のほうに、サインしてもらいました。メイシーちゃんの夢のなかに、 いろいろなキャラクターが出てきて、にじいろのゆめを織りなします。話がどうとかより、この脱力キャラが人気なのですよね。

 私ももうすぐ英国に行きます。第2のルーシー・カズンズさんを発掘したいなぁ。

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