『世界経済危機 日本の罪と罰』(野口 悠紀雄 著、ダイヤモンド社 刊)を読みました。
超整理法の野口悠紀雄氏が現下の世界経済・日本経済を語っている本。とくに、近時の過剰なまでの円安誘導について、強く批判しています。この点においては、私も大賛成です。
これまで、トヨタが儲かっているニュースが出れば出るほど、「ナゼ?」の思いがありました。クルマなんて、もうほとんど行き渡ってしまっているし、ガソリンも高いし。日本の工場だって海外移転したはず・・・。いや、そうじゃなかった。近年の円安誘導によって、日本の労働者の賃金は割安だったし、日本で作るモノは、割安であり、つくればつくるほど、金を生み出す「打ち出の小槌」状態だった。
だから、野口氏はこれを「円安バブル」と指摘しています。
この円安バブルをもって、日本の富と労働力のほとんどがアメリカに費やされてきた。そして投資したカネは、アメリカの資産デフレによってはじけてしまった。わが国は、多くのものを失ってしまった。
日本の経済は、失われた10年から何も立ち直ってはいなかった。脱工業化がなされていなかった。GDPの見た目の向上のために、すべてをごまかしてきた・・・。
みなさんもぜひ、読んでみてくださいね。感想聞きたいです。
以下アマゾンの内容紹介です。
「なぜ、日本の株価はアメリカ以上に下落するのか。なぜ、円はこれほど高騰するのか。誰もが抱く疑問を氷解させ、「日本は被害者」ではなく「世界経済危機の共犯者」であることを指摘。そして、これから日本を未曾有の経済危機が襲うことの必然性を説く。冷静な現状分析から、今後なすべき対策までを野口教授が緊急提言する!
サブプライム・ローン問題に端を発し、いまや世界中を覆う経済危機。しかし、この事態に対する日本での基本認識は「これはアメリカ発の金融危機」であり「日本は巻き添えを食らっている」というものではないでしょうか。
本書では、そうした被害者的な考えを真っ向から否定し、
●今回の危機を招くうえで日本は極めて大きな役割を担っていた
ことを解き明かします。そのうえで、
●今後、アメリカ以上に厳しい大不況が日本を襲う
と警告を発しています。
大不況の規模は、年間の経済成長率でマイナス数%というこれまでにない未曾有のレベルに達する可能性さえあると著者の野口氏は指摘します。
なぜ、そこまでの危機が予想されるのでしょうか。理由は戦後の日本経済を支えて
きた「輸出立国モデル」が明確に崩壊したと考えられるからです。トヨタ、キヤノン、ソニーなど日本を代表する企業の急激な業績ダウンがそのことを端的に表しています。
一見すると、極端で過激な主張に思えるかもしれませんう。しかし、著者は極めて正統的な経済学の知見を駆使して論を展開します。その正確な分析は過去にも多くの経済情勢を見事に解き明かしてきました。
いま、日本が置かれている危機的状況を正確に理解し、今後に向けて正しい対策を立てることが喫緊の課題となっています。そのためにも、一人でも多くの方に本書をお読みいただきたいと思います。 」
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