『不撓不屈』を読みました。

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高杉良の『不撓不屈』(新潮文庫) を読みました。
 
 
 
 みなさんもご存知のとおり、TKC全国会の飯塚毅氏を小説化したもの。飯塚氏は、「別段賞与」の取扱いをめぐって国税庁と検察を相手に、長い戦いを強いられた。
 
 
 
 このあらすじを読んだときに、これは自分の父親の話かなと正直思った。
 
 
 
 自分の父(私は妾の子で母子家庭育ちですが。)も大正生まれの税理士で、同じように国税庁と対立し、長い訴訟に苦しんでいました。父親のエピソードをまじえて、国家権力だろうと、真実の前には、絶対に屈してはいけないと、小さい頃から母に言い聞かされてきました。
 
 
 
 当時の税理士は、多かれ少なかれ、国税庁と紛争があったようです。まだ資格試験もない頃ですし・・・。(税理士会の会員番号が一桁だとか、そんな感じらしいです。)
 
 私のことはさておき・・・。
 
 肝心の本についてですが、ノンフィクション小説ということもあり、議会の議事録や、裁判の記録などをそのまま書き写しているところがあり、ふつうの小説とはちがった読み方が必要かなと思いました。心の動きやなんかは、あまり描写されておらず、事実関係の記述を重視しているような感じ・・・。映画の方が楽しむには向いてるかもしれません。
 
 
 
 「別段賞与」の争訟がきっかけで、現在の「賞与引当金」ができたとか、そんな話を読むのも、この小説の楽しみ方かな・・。
 
 
 
 
 いずれにしても、真実を前にして、権力に屈する必要はない。
 
 
 
 痴漢だとか、万引きだとか、そんなもので刑務所に入れられるのではなくて、真実を貫いたがために刑務所に入れられる、そのくらいの人生でありたいものです。
 

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このページは、Masahiro Ohkuboが2009年11月24日 20:17に書いたブログ記事です。

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