政策研究

 以前、政策立案のワークショップを行った際に、「市民にも使えるわかりやすい政策評価の本はないですか」と訊かれたことがあります。そのときは、なかなかわかりやすくかつ実用的なものを思いつかなかったので、保留にしていました。いずれわたしが書きまとめようかとも思ってはいたのですが、それどころではなくて・・・。

 最近、『エクセルで政策評価―すごくよくわかる実践的統計分析マニュアル』(多賀出版、佐々木 亮 )が出版されました。 本書では統計学の知識を、市民<議員・NPO・市民組織<行政官<コンサルタント・業者<各専門領域の研究者<統計学者 の第1~6水準に分け、第4・5水準(市民~行政官)までへの対応を目指しています。

 「読みやすくする」「分かりやすくする」ことを前提としているため、本書は空白が多く、行間もかなり広くとっています。こういうデザインが好きな方もいるとは思いますが、本好きには向かないような・・・。組版を考えるのは難しいですね。いろいろな読み手がいますし・・・。

 いずれにしても、市民活動や政策立案・評価に携わる方々にとって、わかりやすい入門書・実用書であることはいうまでもありません。機会があれば、一度お手に取ってみてくださいね。

 

  『立法の中枢 知られざる官庁 新内閣法制局』 (西川 伸一、五月書房)を読みました。内閣法制局は内閣の意思決定にお墨付きを与えたり、 権威付けたりするほどの力を持ちつつも、一般には黒衣のように映る存在です。

 歴代政権の憲法九条の解釈や、「自衛隊の合憲性」「周辺事態」「後方地域支援」の定義を裏付けてきたのも、この内閣法制局でした。

 また本書は「内閣法制局」と銘打ちながらも、後半は議院法制局について論じています。議会の活性化のためにも議員立法が大切であり、 それを支える議院法制局の役割が必要です。ときには議院法制局の越権的ともいえる関与も指摘されています。

 ダイオキシン対策法、PRTR法、臓器移植法など議員立法による立法過程についても触れています。(臓器移植法の事例については、 山本孝史議員による 『議員立法-日本政治活性化への道』 (第一書林)が詳しくとても興味深いです。)

 議員を目指す方だけでなく、市民活動をされる方も、今後は市民立法が活発になると思いますので、本書はとても役に立つことでしょう。 私は2日間くらいで読んじゃいました。

「政府タウンミーティング、代理店に丸投げ」というニュース。

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2735499/detail

「 次々とヤラセが発覚する内閣によるタウンミーティング(TM)。今度は経費のムダ遣いが明らかになった。TMは小泉政権発足直後からスタートし、これまで174回も行われているが、初年度01年は50回開かれ、その総経費は9億3900万円。1回当たり1879万円かかっている。300人の集会にしてはカネがかかりすぎだ。」
・・・・ 

「実はTMの開催はすべて大手広告代理店に“丸投げ”されてきた。01年度は随意契約で1社だけにまかされ、その後は競争入札となったが、2社が交代で落札している。

「ヤラセ質問者に5000円の謝礼が支払われていましたが、それにしても費用がかかりすぎです。政府の催し物で随意契約ができるのは(1)緊急性があるもの(2)他社に比して独創的な企画――の2条件ですが、TMに緊急性はないし、独創性があるとすれば“やらせ質問の仕込み”くらいのものでしょう」(関係者)」

広告代理店が受託していたのか・・。それならヤラセもありうる...。ここにもNPMの影が見えますね。うまく使えばいい制度だけど・・。英国でもマイナス面が指摘されていますし・・。元財務官僚の村尾信尚氏が視察に行ったニュージーランドはどうなんでしょうね。

 さきほど、ミクシィをうろついていたら、学校評価の調査票やシステムをオープンシステム化しているということを知りました。慶応大の金子郁容先生と千葉商大の久保裕也先生。

「具体的には…、SQS(Shared Questionnaire System)というソフトウェアを開発して、その成果をオープンソースで公開・無償配布しています。
http://sqs-xml.sourceforge.jp/
http://sqs.cmr.sfc.keio.ac.jp/2006/07/21/sqs-20060721/
http://mixi.jp/view_community.pl?id=192518

SQSと、自動紙送り装置付きスキャナがあれば、「普通紙マークシート式調査」が実施できます(質問紙調査を手作業で集計する仕事でヘトヘトになっている人たちが、泣いて喜んで使ってくれています。また、全国の学校の先生方には、学内アンケートの実施・授業評価・学校評価などに活用してもらっています)。」(久保先生のミクシィでの投稿より引用)

 リンク先をいろいろ見ていただければわかりますが、学校評価の調査票をオープンソースにすれば、全国で同じものさしで学校を評価できます。簡単に導入できるものなので、学校の内部評価だけでなく、NPOやPTAなど外部からの評価にも使えます。

 同様に、よい病院を選ぶためのモノサシづくり、改善のための調査などにも使えそうですね。これまでは、行政や一部のシンクタンクにしかできなかった調査が、広く一般の手に届く時代になりました。

 そう、デモクラシーの発展、政策立案能力の向上につながります。

『学校評価―情報共有のデザインとツール』 (金子 郁容、ちくま新書) という本にもいろいろ説明が書かれているとのこと。さっそくアマゾンで購入しちゃいました。(^^

 

『参加型ワークショップ入門』
ロバート チェンバース著,明石書店
この本は、ワークショップ入門ではなく、参加型ワークショップの入門です。

このほか、参加型ワークショップの手法、参加型開発について調べています。以下はそのメモと文献とリンク集です。

都市政策事例研究レポート

 

公共文化施設によるアウトリーチ活動と都市の文化と創造性について

 

0.はじめに

 本稿は、公共文化施設による地域や学校へのアウトリーチ活動について、世田谷パブリックシアター、厚木市文化会館、 小出郷文化会館の事例を取り上げ、社会における公共性・便益、都市におけるソーシャル・ガバナンスの観点から、その意義を考察し、 論じるものである。公共文化施設の活動に絞り考察するなかで、今後の文化都市政策のあり方について考えてみたい。

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