高杉良『労働貴族』(講談社文庫)を読みました。
日産の労働組合の委員長、塩路一郎は、労働者の代表という立場でありながら、豪華クルーザーで女性と過ごしたり、銀座で女性を侍らせたり、品川区に7LDKの自宅には、組合所有のプレジデントとフェアレディZ2台もあるという。彼曰く、「労組の代表は、役員と同等の待遇であるべき」という。
その日産の社長石原氏が、この塩路氏の反対・妨害にあいながらも、生産拠点の英国進出を果たすまでの道のりを描いています。
本書は、「記録小説」という名を用いていますが、小説というよりドキュメンタリーという感じです。筆者の著書すべてにいえますが、小説としての面白さよりも社会勉強のための本という印象です。経営権や事前協議制について、労働組合の存在について、考えるいい材料になりました。
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