このところ、風邪で調子が悪く、ずっと布団のなかにいました。
その時間を使って、パール・バックの 『The Child Who Never Grew』を読みました。110ページほどですが、ここ2日かけて・・・。
パール・バックの娘であるキャロル・バックは生まれながらに知的障害があり、パールは娘の将来を案じる。キャロルをさまざまな病院に連れて行き、そしてさまざまな施設を見学し、キャロルの終の住処をようやくみつける。本書ではここまでの経緯を記したものです。
のちにキャロルはフェニルケトン尿症(phenylketonuria:PKU)であることが判明します。フェニルケトン尿症は代謝異常を引き起こし、早期に対処しないと精神遅滞につながる・・・。現在は、早期治療により精神遅滞を防げるという。本書のなかでは、パールが中国育ちのため、東洋と西洋の障害者観の違い、家族主義と個人主義について対照的に描かれています。また、この頃は大型のコロニーに入れる時代であり、現在のようなdeinstitutionalization(脱施設化)によるグループホームもなかった。本書は、当時のライフヒストリーという意味でも読む価値はあるでしょう。
単語はそれほど難しくなかったのですが、倒置や破格の連続で、いくつか文構造をつかめないまま読み進めてしまいました。じっくり考えれば構文を取れるとは思うのですが、読むスピードが落ちるので・・・。まあ、それでなくても深く考えないと意味がつかめないセンテンスもありました。
ここ数年、文字に頼らず耳で英語を理解できるようにしたかったので、ペーパーバッグを控えていました。そろそろ再開しよっと。いまはJohn GrishamのThe Firmを読んでいます。(ペリカンブックなので縮訳版ですが)
■Wikipedia:フェニルケトン尿症
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