戦争請負会社

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 『戦争請負会社』 (日本放送出版協会、P.W. シンガー)を読んでいます。半分くらい・・・。量が多くてつらいので、とちゅうまでのメモを書いておきます。

 本書は、PMC(Privertized Military Company=民間軍事会社)について詳細に記しています。民間軍事会社は、要するに軍事の民営化です。これにはメリットもデメリットもあり、メリットとしては公式の兵力として数えないで済み、軍備の過少申告ができます。デメリットとしては、行政法の見地からみてその効力の範囲があいまいであることです。とくに、成功報酬のかわりに傭兵たちに略奪や虐待、凌辱を許しているとさえいわれています。 あのアブグレイブ刑務所で奴隷虐待の事件がありましたが、それも民間軍事会社によるものと言われています。

 近年の民営化路線によるものかと思いつつ、傭兵の歴史は古く、古代エジプト時代から存在するという・・・。外国人兵士を雇うことも何らかの形で行われてきているとのこと。また、共産諸国の崩壊により、兵器が大量に安く流れていることも拍車をかけている・・。
 日本の自衛隊のコストを第三世界の軍人で賄えば、同じコストで兵力が何倍にもなる。しかも、公式には兵力として数える必要がない・・・。軍事機密が漏れる危険、兵器が流出してしまう危険など様々な問題がありますが、防衛省も検討を進めているらしい・・・。

 兵力を外注化するしないにかかわらず、わが国は強制徴兵ではなく、自衛隊を雇っていることには変わりがない。傭兵といえば傭兵なんですよね。それにアメリカにまもってもらっているのだって、防衛の外注化と思えば気が楽になる・・・。(?)


Wikipedia:P・W・シンガー

asahi.com:民間軍事会社、法的問題点を研究 イラク事件契機に政府


Wikipedia:民間軍事会社

●東京財団研究報告書『安全保障の民営化に関する新構想 -民間軍事会社(PMC)の戦略的活用法-』(2005年11月、菅原 出)
 http://www.tkfd.or.jp/publication/reserch/2005-15.pdf

『戦争民営化-10兆円ビジネスの全貌』(祥伝社、松本利秋)

●NHK:「紛争ビジネス~知られざる民間軍事会社」
 http://www.nhk.or.jp/special/libraly/02/l0012/l1221s.html


≪MPRI社≫
http://www.mpri.com/
≪セネガル、マリ、マラウィに対する米の軍事訓練≫
http://usinfo.state.gov/regional/af/acri/
≪アーマーグループ≫
http://www.armorgroup.com/mainframe.htm
≪イギリス政府政策提言書の内容≫
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200102/cmselect/cmfaff/922/922.pdf
≪国連人権委員会傭兵問題に関する会合≫
http://www.unhchr.ch/html/menu2/i2intmer.htm
≪ウィービー氏の活動について→ことし1月にシンポジウムを主催しています。≫
http://www.israeleconomy.org/strategic
≪ブッシュ大統領の演説≫
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2001/10/20011029-2.html

●軍事Wiki
 http://hiki.cre.jp/military/

●防衛省「国際情勢と安全保障に関する調査研究」の企画競争に関するお知らせ(1)
 http://www.mod.go.jp/j/info/chotatsu/naikyoku/nyuusatu/2006/09/07.html

『ドキュメント 戦争広告代理店』(講談社、高木 徹)

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このブログ記事について

このページは、Masahiro Ohkuboが2007年1月17日 13:02に書いたブログ記事です。

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