先月、イギリスにホームスティしたときにつねに感じていたのは、自分の語彙知識が発信型ではない、ということ。 簡単にいえば、「日→英」に訳せるように単語を暗記してないということなのですが、上手に知識を整理しなおすのはとても難しい。 英字新聞やペーパーバッグを一応読める程度のわたしでも、同じ難易度(頻度)の言葉を英語で発信するの容易でないのです。
そのためにはどうするか。「英字新聞を読んで、気になった表現を蓄積する」というのは一見よさそうな勉強法なのですが、 「わかる言葉には、注意がいかない」、つまり、読める単語や表現は読み流してしまうことが多いのです。ゆっくり読めば、それもできます。 でも、リーディングの際は、本来の情報処理に徹し、「単位時間あたり、どれだけの情報を読み取れるか」という観点で取り組みたいものです。 (文学的なもののように、かみ締めて読むものは除きます)
やはり、発信型の語彙知識はライティングを通して構築しなおすのではよいのではないか、と感じています。たとえば、「話す」 の類語として、say、tell、speak、talkの違いを整理しなおすという作業をするのです。 (この4語の識別は大学入試でも頻出ですね...) そこに新しい語彙も肉付けしていく。また、一般名詞や固有名詞なども、 ライティングの際に類語を増やしていくほうがよさそうです。
マニアックなまでに充実した情報量をもつ参考書を次々に出版している植田一三先生をご存知でしょうか。 英語学習者には結構有名なのです。私も彼の著書をほとんどもっていますが、タンスの肥やしになっています。さいきん、 私のスピーキングとライティングが頭打ちになっていることから、植田氏の著書に取り組んでみようかなと思っています。
最初に取り組みたいのが、「発信型英語スーパーレベルライティング」 (ベレ出版)です。みためは、英作文の参考書なのですが、前半のほとんどが語彙についての解説になっています。「言う・話す」「思う・ 考える」などの類語を増やす、多義語の整理、そのあと、文法、発想、整理などと続いていきます。この本をやるときには、 無理に自力で全部を解こう(書こう)とするのではなく、読み込んで知識を整理するほうがよさそうです。そして、 2回目に課題に取り組んでみる、というやり方でどうでしょうか。
その次に、「発信型英語10000語レベルスーパボキャビル」 (ベレ出版)をやるか、「英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング」 (ベレ出版、植田 一三、妻鳥 千鶴子)をやりたいなと思っています。前者はその名のとおり、語彙の参考書です。 ごちゃごちゃしてやりづらいのですが、情報そのものは、類語やトピックごとによく整理されており、定評があります。後者は、 英検1級の2次試験に最適と言われているもの。
洋書では、"Pros and Cons"という本が有名ですが、本書はそれにも匹敵するといわれています。 イギリスの語学学校に行ったときにディスカッションの授業で、 他の国から来た生徒があまりに積極的でしかも自分の意見をもっているのに驚きました。正しい知識に基づいているかはべつにして、つねに考えていないととっさに話すことはできないでしょう。
ただ、参考書ばかりに頼っていてもよくないなと最近はとくに思います。いつまでたっても「おべんきょう」から抜け出せない・・・。 それよりは、どんどん使いながら、気になる表現はネットなどで調べて、小さなノートに蓄積し、少しずつでも増やしていく・・。 こんな古典的な方法を馬鹿にされるかもしれませんが、他国の留学生はよくやっています。そのノートを開いてわたしたちに話しかけ、 すぐに使う練習をします。自分になじんだ表現にするためにも。
このような学び方のよさは、英語環境に飛び込む勇気を与えることです。参考書で勉強してばかりで、 英語環境に飛び込むのをためらっていては、いつまでたっても英語が身体に、口になじんできませんよね。
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植田先生のシリーズは私もつかっています。日本の参考書、というより、ESLのテキストのような感じで使い勝手が良いですね。
>参考書ばかりに頼っていてもよくないなと最近はとくに思います。いつまでたっても「おべんきょう」から抜け出せない・・・。
線引きが難しいですよね。
どこまで参考書に頼るか、生英語で勉強するか。
母国語ではない以上、このせめぎあいはずっと続くのかしら~~なんて思っています。
コメントありがとうございます。
植田先生の本は気合いが入っていて、面白いですよね。他の本は受験英語の焼き直しのようなものが多い気がします。
日本の参考書は本当に便利なので、頼ってしまいますよね。