尾花コーチが退団へ 来季から巨人が有力
2005年10月2日(日) 18時57分 共同通信
ソフトバンクの尾花高夫投手コーチが今季限りで退団することが2日、分かった。王監督には既に意思を伝えており、この日の全体練習前にはスタッフ、選手に退団の意向を伝えた。
尾花コーチはロッテ、ヤクルトで投手コーチとして手腕を発揮した後、1999年にダイエー(当時)入りし、ホークスでは昨年まで2度の日本一に貢献した。若手育成に定評があり、来季は巨人の投手コーチ就任が有力視されているが、プレーオフなどを控えており「この時期には言えない」と明言を避けた。
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私の野球人生のなかで、もっとも影響を受けたのが、尾花高夫投手でした。
当時、お荷物球団とよばれたヤクルトの屋台骨を背負って、先発、ロングリリーフにフル回転、
それでも肩や肘の故障はなかった。膝の半月板や、最後の頃に足の故障をしたことはあったが・・。
最後の故障がなければもっと投げれただろう。
相手の心理の裏の裏を読もうとしすぎて、失敗するところがあったが、それだけクレバーな投手だった。「一試合には、3回の山があり、それが序盤・中盤・終盤とまんべんなく来ることもあれば、序盤に集中することもある。」彼は司馬遼太郎や山岡荘八の小説を読み、自身について「自分は剣豪ではないから、一つの試合で相手を無傷で倒すことはできない。小さな傷を浴びながら、それでも致命傷を浴びずに一試合を切り抜ければいい」そんなふうに喩えていました。
彼のモットーは荘子の「無用の用」。選手名鑑にあるその言葉を見つけ、子どもの私は全く意味が分かりませんでした。出会う大人にいつも聞いていた記憶があります。輝かしい活躍だけが名選手の定義ではない。試合を読み、自分は引き立て役にまわることができるクレバーさ。そんな彼がコーチになって花開くのは、当然のことなのかもしれません。
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