わたしは恋をできない病気にかかっている。
むかしつきあった、あのひとは、過去にストーカーの被害にあったことがあり、
彼女はトラウマになっているという。つきあい始めも苦労したけれど、お別れするときにも
苦労した...。突然いなくなって、どうしたらいいんだろうと電話し続けると、新しい彼に
「ストーカーがいる」という。そのうち向こうの男から罵詈雑言のメールが届く。こちらは
何がなんだかわからない。
・・・こんな経験が10年以上前。わたしのほうが深い傷になった。
その時期、ちょうど尊敬していた大学の先生が、学生へのセクハラが理由で他の大学に
飛ばされることになった。このことも、すごいショックだった。
ひとをスキになるのが怖くなった。
素敵なひとにであうと、もう二度と会わないようにしてしまう。
まちを歩いていても、女性の後ろを追いかけてると思われないように、
前を歩いている女性がいたら、すぐに進路を変えてしまう。
道や通路で必ず会う道があれば、その道は二度と通らない。
お気に入りのお店ができても、「いつもありがとうございます」と
店員に顔を覚えられたら、もう二度と通わない。
どんなに上手にやってくれた美容師さんでも、自分からは指名しない。
せっかく頑張ってくれたのだから、指名してあげたいけど、やっぱり怖い。
連絡先は自分から絶対にきかない。
恋の始まりは自分ですべてもみ消していると思う。
楽しいことももみ消していると思う。
つらいときは、家の駐車場についても、クルマから出ることができない。
ハンドルに顔をうずめて、しばらくふさぎこんでしまう。
携帯に入れた女性の連絡先は、すぐに消してしまう。
飲み会にも参加しない。
誰かを傷つけるくらないなら、自分が寂しいほうがましだ。
これがわたしの恋の弱音
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