NHKのカンゴロンゴって、はじめて見たけれど、面白いね。
http://www.nhk.or.jp/kango/past/past012.html
いろいろな人生相談をドラマ化して、漢文を処方箋として紹介する。
それだけの番組といえば、それだけなんだけど。
やっぱり漢文っていいよね。
この回は、ブラック企業に勤める、悩める部長。
上からは、従業員を使い倒せとの命令。多くの部下が次々に辞めていく状況。
この部長は間に挟まれて、悩み続ける。
紹介された漢文は、
・「教学相長ず(きょうがくあいちょうず)」【礼記】(お互い教え合い、学びあって共に成長してゆく関係)
・「吮疽(せんそ)之仁」【史記】(戦場で部下の疽(おでき)のウミを吮(すす)った将軍がいた。部下は「この人のためなら」と勇戦して次々と命を捨てた)
・「一樹百穫なるものは人なり」【管氏】(この世で最も多くの利益を生み出すものは人である)
でした。
なかでも、一樹百穫については、
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「一樹百穫なるものは人なり」は「長期的で最大の利益を生み出すのは、人間を育てることだ」という意味です。
出典は『管子』です。
古代中国の戦国時代(前403~前221)は、国どうしが存亡をかけてしのぎを削る厳しい競争の時代でした。『管子』では、「富国強兵」の秘訣を、短期的スパンと長期的スパンに分けて、次のように述べています。
「一年計画なら穀物を植えるのがベスト。十年計画なら木を植えるのがベスト。生涯の長さで計画をたてるなら人材を育てるのがベスト。一回種をまいて一回の収穫があるのは、穀物である。一回植樹して十倍の収穫があるのは、樹木である。一回育てて百倍の収穫があるのは、人材である」
(一年之計、莫如樹穀。十年之計、莫如樹木。終身之計、莫如樹人。一樹一穫者、穀也。一樹十穫者、木也。一樹百穫者、人也。)
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いわゆる人は「百年の計」といいますものね。
ほかの回に紹介されていたものでは・・・、
行くに径に由らず
[ゆくにこみちによらず]
「行くに径(こみち)に由(よ)らず」とは「わき道によらず、大きな道を正々堂々と歩む」
・・・も好き。
人間到る処青山あり [にんげんいたるところせいざんあり]
出典は江戸時代の僧、月性(げっしょう 1817年~1858年)
「男児 志を立てて郷関を出ず
学 若し成る無くんば復た還らず
骨を埋む 何ぞ期せん墳墓の地
人間到る処青山有り」
(ダンジ、こころざしをたててキョウカンをいず。ガク、もしなるなくんば、またかえらず。ほねをうずむ、なんぞキせんフンボのチ。ニンゲンいたるところセイザンあり)
意味は「わたしは、学問をきわめるため、これから遊学の旅に出る。男たるもの、志をとげるまでは、故郷に戻らない。旅先で死んでもかまわない。人の世のなか、どこにでも、骨を埋めるにふさわしい『青い山』があるのだから」
これも。
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