鯉料理が恋しく!? ~ 伝統文化の継承 ~

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 昨日行ったどじょう料理屋さんに、鯉のあらい、鯉こくもメニューがあり、鯉料理が恋しくなってきました。祖母が長野県佐久市の出身で、母も戦時中疎開で滞在していたこともあり、私の子供の頃、我が家では鯉料理が出されることも珍しくありませんでした。スーパーでもときどき食用の鯉がおいてあり、買ってきては母がさばいてくれたものです。小学校の頃、同級生に鯉料理の話をしても、みんな不思議そうに、「なまぐさいんじゃないの?」なんて言われたものでした。

 祖母からはよく、鯉の話を聞かせてもらいました。鯉が滝を上る話、食べる前にしばらく真水を入れた樽に買って泥を吐かせる話・・・。そして、深川に移ってからの話、木場の材木問屋の話。秩父の木を伐採し、いかだを組んで川を下り木場まで運んでくる。再びいかだを切り離し、職人はサーカス芸人のように木材を足でくるくる回しながら岸へと動かしていく・・・。私は一度も眼にしたことがないけれど、そんな話をいつも聞かされながら想像していたものでした。両国の相撲取りが遊びに来た話しなんかもあったっけ。

 ひるがえって、多摩ニュータウン育ちの私は、子供や孫に何の話をすればいいのだろう。わたしたちのまちは、新住区域で、公団や都が開発して、高度成長期に移り住み、そこに生まれた子供も大人になって新しい地に移っていった話を・・・。すればいいの?私のローカル・アイデンティティはどこにあるんだろう。そういえば、多摩の遺跡を自転車でたどってみたこともあったっけ。私たちの遊び場は、開発前の大きな空き地がいっぱいあって、そこらじゅうで野球や探検もできた。でもそれは「中間風景」で、いまは大きな団地が並々と建っている。

 教育基本法に入れることが必要かどうかはべつにして、義務教育や社会教育のなかで伝統文化について学ぶのはとてもよいことだと思う。継承するかしないかはもちろん本人の自由ですが、スタート時点として、地域のよさを知ることによって彼らが大人になったときに地域への還元を考えるかもしれない。ゆくゆくは地域で暮らそうと思うかもしれない。
 もちろんさまざまなバックグラウンドをもった方への配慮も必要であり、多文化理解・国際理解の学習をセットにしたうえで相対的にとらえられる視野を育成することも大切・・・。

 ・・・話が大きくなってますが、単に鯉料理を食べたくて、食用鯉を検索したのをメモっておくための日記のつもりでした・・・。(笑) 調べてみたら、いろいろありました。いきたまま送ってくれるお店もあるそうです。私の性格ではそのまま飼ってしまいそうですが・・・。

■氏家鯉店(宮城県)
 http://www.oak.dti.ne.jp/~koione/index.html

■鯉の店 小諸魚甲(長野県小諸市)
 http://www.koi.co.jp/

■鯉の三の宮 松田(新潟県五泉市)
 http://www.koi3.jp/

■木場の問屋組合の歴史年表(東京木材問屋協同組合)
 http://www.mokuzai-tonya.jp/03about_us/history/01edo.html

■受け継がれる水の曲芸 木場の角乗り(財団法人 東京観光財団)
 http://www.tcvb.or.jp/jp/tokyo_topics/0610/topics_02.htm

■江東区の伝統芸能(江東区HP)
 http://www.city.koto.lg.jp/seikatsu/shogai-gakushu/6358/

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このブログ記事について

このページは、Masahiro Ohkuboが2007年3月 4日 23:47に書いたブログ記事です。

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