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私の問題意識

 以下の文は、何年も前に、私があるところを受けたときの作文です。結局落ちちゃったけど、あのときの気持ちを忘れないために残しておきます。「私の問題意識」がテーマでした。

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 私の問題意識
 
 「ひでちゃん」「まあちゃん」「まさみちゃん」私たちは男3人の兄弟で、毎日学校に通った。3人で通学している姿は、やはりご近所の名物だった。

 私が小学校にあがった頃は、地域の子が集まって登校するのがふつうだった。兄の「ひでちゃん」は、知的障害を持っている。このことで、いつもまわりの子どもからからかわれる。奇異の眼で見られる。ヒソヒソと嘲笑の声が聞こえる。兄は、まわりに言われていることの意味がわからず、毎日楽しそうだったが、私にとって朝の通学は苦痛だった。何日か経つうちに、私は、兄の手を引いて、この群れから離れるようになった。

 闘いは、学校の中でも続いた。兄の悪口を聞いたり、いじめられている姿を見れば、相手が上級生でも食ってかかった。自分はケンカが強いわけでもなかったが、我慢できなかった。

 そんな兄も、養護学校を卒業し、ある弁当屋に就職した。養護学校の卒業生にとって作業場以外の施設で働くことができるのは、障害の軽めな”優秀な”生徒だけである。

 しかし、数年経って、兄はクビになった。職場でいじめられたこともあり、鬱病を患ったことがきっかけだった。就職して鬱病になる障害者は、兄だけではない。友達の○○ちゃんや△△さんも・・。やはりそうなのだ。知的障害の上に、精神的に病いを背負い、精神病院の入退院を繰り返している。養護学校が愛をこめて送り出した卒業生たちを、社会が受けとめられない。法律では民間企業には雇用率1.8%が課せられているが、現実には1.56%程度である。しかも、養護学校の卒業生のうち、企業等に雇用されているのは、1割にも満たないと言われている。さらに、せっかく就職しても、精神的に追いつめてしまう・・。働くことは、確かに厳しいことだが、それ以上に、障害者に対する配慮が欠けていて、彼らを苦しめている現状があるのではないか。

 そして、兄は、通所作業施設に通うことになるが、施設に通う彼らの収入を聞いて、また驚いてしまう。1ヶ月働いて、月収5千円から1万円程度だというのだ。1日ではなく、1ヶ月である。障害基礎年金を加えて10万円くらいだろうか。金銭的にも、社会との関わりという観点でも、障害者が生きることが難しい。

 どうしたら、弱者も一緒に生きられる社会にできるのだろうか。
 私が兄に「よかったね」と心から言える社会にできるだろうか。

 「おまえがやらなくても、社会はだんだん良くなってきているよ」まわりの人は、そう言って私をたしなめる。しかし、どうしても収まりがつかない。「おまえがやらなくてどうする」「誰かが幸せを運んでくるというのか」 来る日も来る日も、私の心の中で叫び続ける。やはり、私自身が立ち上がらないといけない。強くなって一人でも多くのひとを、苦しんでいるひとを助け、幸せにしたい。ともに力を合わせ、社会をつくっていきたい。

 そのような思いのもとに、私はシティズンシップ教育の推進活動を始めた。この活動を通して、あらゆる人々の共生と社会参加を目指している。私の専門が教育であることから、まずはこのような一歩を選んだが、次はほかの道でも、自身の思いを形にし、より多くの人々に伝えていきたいと考えている。
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 さて、どこを受けたのでしょうか・・・。

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