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今日届いた本

『数学文化 10』
(日本数学協会 編、日本評論社)
 数学文化は、日本数学協会の機関誌です。本号は、江戸時代の数学者 関孝和の特集です。没後300記念とのこと・・。数学は、欧米からの譲りもの・・・という印象をよそに、日本の和算は、代数・積分・幾何など、独特の発展がなされてきました。

・・・そう考えると藤原正彦さんがおっしゃるように、日本がなぜ、完全植民地化されなかったかがわかる・・・。識字力もさることながら、文化の力に目を見張るものがあり、単純な欧米化をするわけにはいかない・・・。そういう誇りを数学者が持っていてもおかしくないな・・・と。わたしは保守でもなんでもないですが・・。

どうもわり算にも「九九」(「八算」というそうです。)があるらしいと聞き、検索していたら本書にたどり着いたのでした。この割り算九九ですが、どうやらそろばんの操作を示すよう・・・。「二一天作五(にいちてんさくのご)」は、「1を2でわるときには、1をはらって下の位の5をたてる」操作のようです。1をわれば0.5。10をわれば、十の位の1をはらって、一の位に5を立てる・・・。

 そろばんをやっていたお友達が、「わり算もできるよ」と言っていたけど、このことなのかな・・。

 いずれにしても、おもしろいですね。

『古田の様』
(金子 達仁 著、扶桑社)
 古田敦也についてのノンフィクション。さまざまな選手からのインタビュー、対談をもとに構成されています。アマゾンでは酷評もありましたが、面白いですよ。わたしは、現日ハムの藤井秀悟投手のブログで知りました。
 本書でも頻繁に取り上げられているのが、古田のキャッチング。野球をやっていると、ふつうは、「ミットの芯で捕る」ようにと教えられるのですが、古田はアウトコースのきわどい球をミットの網で捕る。ボールの軌道は、ややアウトコースに外れていても、ミットの芯はゾーンにかすっている。そうすると審判からはストライクにみえる・・・。
 アウトコースを吸い寄せるように捕る古田のキャッチングは見事だ。ミットも横に流れたりしない。「つまむように捕る」・・・。伝わるかな・・。
 そんな話が、本書でもなされていて、やっぱりそうなんだなと。わたしの大学の野球部でも、古田のキャッチングについてはいつも話題に上がっていました。
 アウトコースのワンバウンドの球を、身体で止めにいくのが、普通のキャッチャー。古田はそこを捕りに行く。「捕れる」という絶対的な自信がなければなしえない。球際でミットを返さないので、動きがバタバタしない。見逃したバッターも、「あれ、けっこう際どかったんかな」と迷う。相手の選球眼も迷わせる。次に同じ誘い球を投げれば、振るかもしれない。
 「バックハンドよりもフォアハンドのほうがお行儀がよい」という日本の野球の固定観念では生まれることができないキャッチングといえる・・・。
 ・・・長くなりました・・。機会があれば、読んでみてくださいね。

<参考>
●Wikipedia:和算
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E7%AE%97
「和算(わさん)とは日本独自に発達した数学である。狭義には大いに発展した江戸時代のそれを指すが、西洋数学導入以前の数学全体を指すこともある。 欧州の影響外で独自に様々な高度な数学、代数学、積分法、幾何が発展した。」

●Wikipedia:関孝和
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E5%AD%9D%E5%92%8C
「関 孝和(せき たかかず、寛永17年?(1642年)3月? - 宝永5年10月24日(1708年12月5日))は、日本の江戸時代の和算家(数学者)である。本姓内山氏、通称新助。字は子豹、自由亭と号した。」

●Wikipedia:割り算九九
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E4%B9%9D
「割り算九九には八算、見一、唐目十六割、四十三割、四十四割、糸割などがある。割り声(わりごえ)、割れ声(われせい)とも呼ばれる。」

八算
「掛け算九九が珠算と無関係に有用であるのに対し、割り算九九はそろばんの珠の動きとの関連が大きい。元の頃、中国で発明され、その後日本にもたらされたものである。日本では毛利重能の割算書などによって広まった。そろばんの普及と割り算九九の普及は大きく関連している。江戸時代には帰除法のほうが一般的であった(亀井算という商除法も行われていた)」

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