« 大雪ですー。 | メイン | 人材アウトソーシング2冊 »

 いま日経や経営コンサルタントが書いてる業務委託やアウトソーシングの本を読んでいます。いままでの本は、個人業務委託にたいして否定的なものが多かったのですが、いま読んでいるものはいずれも肯定的な立場です。ただ、どれも数年前のものなので、「揺り戻し」のあるいまとなってはやや古いかも。
 ある程度専門性がある人々にとっては業務委託のシステムは悪くないのだけれど、単純にマンパワーを必要とする分野で、なおかつ「労務費の縮減」だけをうたい文句にされると、やっぱり腹が立つ。国民や公人でも国民年金を払わないというだけで批判の矢面に立つ時代なのに、企業が社会保険を払わないと公言するのはいかがなものか。
 新しい働き方(いやほんとうは古くからある民法上の請負契約や準委任契約ではあるのですが・・)であるインディペンデント・コントラクターやディペンデント・コントラクターという概念を拡大解釈して、一般の労働者にもしわ寄せがきている・・・。ますます正社員になるのはむずかしくなり、ますます非正社員への差別も激しくなる。このような概念を社会全体が前向きにとらえられるような時代が来るのかしら・・・。日本以外はだいじょうぶなのかな。
 社会保険の話になると、「直税にすればいいんだ」と簡単に言うひとがいる。でも、それは相互扶助の考え方や、措置の考え方がわかっていない。公的措置による社会保障になれば、ミーンズテスト(資力調査)が必要になる。ミーンズテストを受けた方ならわかるけれど、一定のスティグマ(汚名)を負うことになる。
 あまりひとに言ったことがないけれど、わたしも母子家庭の育ちで、よく役所の方が資力調査に来ていた。クーラーがあるからだめだとか、クルマがあるからだめだとか。子どもがこんなにおもちゃをもっているからだめだとか。その一方でススキノ通いのチンピラさんが、交通費込みの生活保護を受けることができたりもする・・。
 「役所の世話になって生きる」ことのつらさを分かっていれば、簡単に直税方式なんて口にしたりしないんじゃないかしら。保険料方式であることによって、措置ではなく契約としてセーフティネットを張ることができるのだから。