昔の日記
今日、予備校講師時代の日記を見返していました。日記って面白いですね。どう面白いかというと・・・。
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□ March 18th, 1999 (THU)
今日は吉祥寺の日。家でぼうっとしていると、電話がなる。
「先生、今すぐ来い」国公立クラスの3人娘たちだ。
私はデニーズでいちごパフェを頬張っている3人の女の子に囲まれ
小さくなっていた。受験中は逃げ回っていたくせに・・・。
財布カラッポだよう。
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・・・ね、面白いでしょ?(笑)
この子たちは、大学合格が決まって「先生におごってもらう」ことを楽しみにしていたやつら...。基本的には連絡先は教えないんだけど、事務の職員さんを使って、私あてに無理矢理電話をかけさせてくる。3月は基本的に授業がないので家でぼうっとしてることが多いのですが、電話に出るといきなり「せんせい、いますぐこーい」ですよ。面白いし、かわいいよね。
あげくのはてにおごらされて。(^ ^ ;
読書メモもいろいろ。
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□ March 25th, 1999 (THU)
『高校教師』に出てくる登場人物は、みんなひとりぼっちなんだよね。
真田広之さんの先生も、女子高生の繭も、赤井秀和さんの先生も、繭の親友になるナオも。
みんな孤独な少年なんだ。
たとえば僕はこんなシーンが好きだ。繭は先生に公衆電話から電話をかけていて、カード
がなくなる。財布の中を探すと、10円玉が出てくる。
その10円玉は、繭が先生のためにお昼のパンを買ってあげた時に、先生からもらって
御守り代わりに持っていた10円玉なんだ。
「10円入れたよ」
「じゃあ、3分話せるね。何の話が聞きたい?」
「皇帝ペンギンの話が聞きたい」
先生は、専門が生物だから、先生自身にとって、皇帝ペンギンの話はいちばん好きな
話なんだね。
ついそういう話に夢中になって、普通の女の子を退屈させてしまうんだけど、好きな
女の子に「おもしろいよね」って、いちばん話したい話なんだね。
僕はこのシーン好きだな。
『少年みたいな君が好き』中谷彰宏 PHP文庫 より
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冬の星空のもと、公衆電話の前で、白い息を吐き吐き、好きな女の子に電話した思い出がよみがえってくる。数少ない毎晩の日課、ただ声を聴ければいい。そう思ってお互いに同じ言葉、やり取りを繰り返す。
いまは携帯があるし、メールもあるし。また違うんだよね。
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□ March 23th, 1999 (TUE)
『今、女画 いま、なんじは画(かぎ)れり』 雍也篇
★おまえは、自分からダメだと思いこんでいるのだ。
孔子が弟子の冉有(ぜんゆう)を勇気づけた言葉。冉有は、どちらかと
いうと消極的な性格であり、孔子からいつもそのことを指摘されていた。
ある日、彼は遠慮しながら師に言った。
「先生の説かれるところが分からないというのではありませんが、
どうも力不足で・・・」
すると孔子は言った。
「力不足なら行けるところまで行ってから挫折するだろう。おまえのは
そうではなく、力はある。それなのにおまえは、自分からダメだと思い
こんでいるのだ」
人は自信をもつと、もっている力以上の力をも発揮する。逆に、
自信を失うと、出来ることまで出来なくなってしまう。まして、
自分で自分の限界を設定してしまったら、そこから出ることが出来
ないのである。「画(かぎ)る」とは限界を設定することだ。
論語より
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